25/01/2026
【二十四日市】
1月24日、高山市中心部の本町通りと安川通りで、恒例の「二十四日市」が開かれました。
二十四日市は、明治初期に旧暦12月24日の「歳の市」として始まり、正月用品を売る市でした。開催日が現在の1月24日に変わった後も、地域の暮らしに根ざした伝統行事として受け継がれてきました。
この市は、かつて農閑期の手仕事を持ち寄る場でもありました。
冬のあいだに農家や職人が作った竹かご、こやなしょうけ、宮傘、有道しゃくしなどの生活用具が並び、正月や春を迎えるための大切な準備の場であり、暮らしの知恵が集まる場所でした。
今回、特に注目を集めていたのが、7年ぶりの出店となった江名子バンドリです。
バンドリは、飛騨地方に伝わる伝統的な雨具(蓑)で、稲藁やシナの樹皮を用いて編み上げられます。蓑を着た姿がムササビに似ていることから、「バンドリ」と呼ばれるようになったといわれています。
この製作技術は国の重要無形民俗文化財に、製品そのものは「飛騨の山村生産用具」として重要有形民俗文化財に指定されています。
江名子バンドリ保存会では、かつての作り手や技術を学ぶ人たちが集い、記録や勉強会を通して伝統の継承に取り組まれています。
一年以上前から材を準備し、藁を選別し、編み上げる――
一つひとつの工程に時間と手間を要する、まさに農閑期の知恵と技が詰まった手仕事です。
こうした伝統の道具を、実際に市の場で目にすることができるのは、保存会をはじめとする地域の方々の地道な努力があってこそ。
技術と文化の火をつなぎ続けるその姿に、改めて敬意を感じた二十四日市でした。