23/05/2025
2024年3月9日(土)
『誰もが演者になれるまち:リサーチ・デザインスクール in 静岡 2022-2023 成果発表』
シンポジウムのテーマ -静岡の都市形成史から芸術・文化の未来を考える-
司会:芝原 貴史 リサーチアーキテクツ建築設計事務所代表
パネリスト:
柚木 康裕 静岡市文化・クリエイティブ産業振興センター(CCC)
高田 彩実 ayami takada architeccts代表 文化会館設計監修
亀谷 浩司 静岡市都市局都市計画部市街地整備課 主査
田井 幹夫 静岡理工科大学理工学部建築学科 准教授
コーディネーター:北川 言 針谷建築事務所代表理事 文化会館基本設計
シンポジウムでは、これまでの活動をまとめ、静岡の芸術・文化の未来を開拓しました。2023年度行ったリサーチから静岡の芸術・文化の特徴を改めて浮かび上がらせ、地元目線のプロデュース・市街地整備とのコラボレーションの可能性を探りつつ、建築・まちづくり・芸術の専門家の視点を交えて、静岡に根ざす文化やまちづくりの今後に向けた議論を展開しました。
文化を基軸とした街づくりの可能性や、市民の創造性を高めるための具体的な施策について、多様な視点から意見が交わされました。
◎文化芸術と都市空間 - 街を劇場と捉える
街を単なる生活の場ではなく、文化や芸術の舞台とする視点が重要視されました。田井氏は「建築空間は人々の創造性を刺激し、都市の魅力を高める」と指摘し、亀谷氏は「街路整備は単なる道路工事ではなく、都市全体を演出する要素となるべき」と述べました。
◎ウォーカブルシティの実現 - 人中心の街づくり
人が歩きやすく、快適に過ごせる都市環境の重要性が議論されました。学生からは「店舗オーナーとの対話を通じて、設計には現実的な視点が必要だと学んだ」「理想と現実のギャップに気づき、実践的な視点が求められる」といった意見が出ました。都市設計では、理想だけでなく現実的な課題を考慮することが不可欠です。
◎創造性の育成 - アートと建築の役割
文化芸術活動を通じた市民の創造力向上が求められる一方で、現代美術や抽象的表現の理解の難しさが課題とされました。教育の観点からは「想像力の育成には工夫が必要」「学生の理想的な提案と現実の要求のバランスをどう取るかが重要」との意見があがりました。
◎多様性とイノベーション - 交流が生む新たな価値
市民参加型のデザインプロセスを採用し、多様な意見を取り入れることで、より創造的な街づくりが可能になると考えられます。そのための解決策として、まず小規模なプロジェクトを実施し、試行錯誤を重ねながら段階的に発展させる「実験的な空間づくり」が提案されました。また、文化施設を創作活動の場として柔軟に活用する可能性も指摘されました。
議論を踏まえ、今後の街づくりの方向性として以下の4点が挙げられました。
市民の創造性を育む場づくり:日常的に文化芸術に触れる機会を増やす。
多様な利害関係者との対話促進:行政、専門家、市民、学生が協力し、実現可能な提案を生み出す。
段階的な実装:試験的プロジェクトを通じて知見を蓄積し、発展させる。
長期的なビジョンの策定:文化を軸とした街づくりを継続的に推進する。
文化芸術と都市空間を融合させ、市民の創造性を高める街づくりの可能性が探求されました。都市を単なる生活の場ではなく、創造の場として捉えることで、より豊かで魅力的な環境が築かれます。今後は、市民参加型のプロセスを重視し、小規模な試みを積み重ねながら、持続的な発展を目指していくことが求められています。
#誰もが演者になれるまち