17/12/2020
【12/12脚本コース共通講義】ゲスト講義:黒沢清さん
この日は最新作『スパイの妻 劇場版』が上映中の映画監督・黒沢清さんによるゲスト講義でした。
高橋洋さんとの対談形式です。
事前に高橋洋さんが「黒沢さんの映画といえば人心操作(マニピュレーション)なので、それか、広く言って宗教映画をテーマにいくつか映画を取り上げてはなすのはどうでしょうか?」
と提案していたそうですが、
黒沢さんは「誤解していました。映画をみていて理屈を超えて恍惚とする瞬間をピックアップしてきてしまった」とのこと。
お二人の間でテーマ自体はあやふやになったのですが、
当初の意図・机上の意図(シナリオ)を超えて、高揚感が生まれるシーンについて聞くことは脚本コースの受講生にとっては新鮮です。
黒沢さんは
・音楽と映像の化学反応
・あまりにあっけなく描かれるアクションの迫力
・拳銃によるアクション
・ストーリーと離れた奇妙なイメージ
などどれも構成やプロットで計算する以上の瞬間を、いくつかの映画を例にピックアップして紹介。
高橋さんはテーマとしていた
・宗教的・神秘的説得力
からスタートしたものの、どれも「理屈を超えた奇妙な説得力」という意味で、黒沢さんのテーマと合致してもいて、最後に至っては
・狙うことのできない展開
の映画のシーンをピックアップするなど、最終的にはテーマは一致していました。
とはいえ、「構成」と「狙い」が最初になければ、構成を超えた感覚的な高揚の瞬間も生まれようも無く、脚本を学んでいる受講生からはそういった話を聞く滅多にない機会に、その後も黒沢さんへ過去作についてなどの質問が相継ぎました。
質問の中でも、偶然の言い間違いから生まれたアイデアや、映画(小道具やキャラクター)のリアリティについてなど、シナリオという分野を超えてお答えいただきました。
TA酒井