岐阜県・匠の道具調査

岐阜県・匠の道具調査 オノ、ナタ、ノコギリ、ノミ、カンナなど鍛冶職人が作る手道具について?

(シェア歓迎)「彫刻刃物の技術継承を考える車座集会」報告書&動画を公開たいへん遅くなってしまいましたが、昨年3月29日に実施した「彫刻刃物の技術継承を考える車座集会」の報告書ができました。以下のリンクから全文をダウンロードいただけます。また...
10/03/2024

(シェア歓迎)
「彫刻刃物の技術継承を考える車座集会」報告書&動画を公開

たいへん遅くなってしまいましたが、昨年3月29日に実施した「彫刻刃物の技術継承を考える車座集会」の報告書ができました。
以下のリンクから全文をダウンロードいただけます。また、集会の動画もご覧いただけます。
https://www.forest.ac.jp/academy-archives/woodwork_0301/

彫刻ノミや彫刻刀を作る鍛冶職人さんの減少・高齢化が著しく、このままでは彫刻文化が維持できなくなると警鐘を鳴らしたものです。

板と板を接合する接(は)ぎ合わせや擦り合わせでは板を縦に並べて作業が行われていますが、板を仮止めする際にはカスガイ(鎹)と呼ばれる鉄の道具を使っています。カスガイはよく見るとそれぞれの長さが微妙に異なっています。板の間をノコギリで挽いていく...
03/03/2022

板と板を接合する接(は)ぎ合わせや擦り合わせでは板を縦に並べて作業が行われていますが、板を仮止めする際にはカスガイ(鎹)と呼ばれる鉄の道具を使っています。

カスガイはよく見るとそれぞれの長さが微妙に異なっています。板の間をノコギリで挽いていく擦り合わせの作業はカスガイで板同士を引っ張り合わせて固定させ、板の隙間が少ない状態で行うため、しばらくするとカスガイの長さが仇になり、それ以上隙間が埋まらなくなります。その段階にきたら、わずかに短いカスガイに掛け替えて、より負荷をかけて板を引っ張り合わせて隙間を埋めた状態で、擦り合わせの作業を続けます。カスガイの長さが一本一本異なることを利用した使い方です。

地味ながら、和船作りには欠かせないカスガイ。わざとバラバラの長さになっているため、機械での均一生産には向いていません。単純な形に見えますが、カスガイの引く力が増すようにツメに傾斜がかかっていたり、薄いながらも丈夫さが必要だったり、見た目だけでは分からない性能が隠れています。

田尻さんが使っているカスガイは美濃地方にいた野鍛冶が作ったもの。今はこの野鍛冶は亡くなられているため、このカスガイを作れる鍛冶職人を探す必要があります。このカスガイは滅多に壊れるものではありませんが、本数が必要です。作業を支える道具が作れなければ、鵜舟そのものを作れなくなる可能性があるという課題を提起しています。

写真1:微妙に長さが異なるカスガイ。

写真2:カスガイを斜めに打つことで引っ張る力を増すことができ、かつ、板が割れるのを防いでいます。

#岐阜 #岐阜匠の道具 #森林文化 #職人 #鍛冶職人 #木工 #鵜飼 #鵜舟 #舟大工 #修業 #後継者育成 #カスガイ #繋ぎ手

14/01/2022

木殺しの作業の様子です。ぱっと見では簡単な作業のように思えますが、内側と外側で角度が異なる板に合わせて叩く角度を変えながら均等な力と間隔で打つには、絶妙なコントロールが必要です。

#岐阜 #岐阜匠の道具 #森林文化 #職人 #鍛冶職人 #木工 #鵜飼 #鵜舟 #舟大工 #修業 #後継者育成 #玄能

板を接ぎ合わせる工程ではもう一つ大事な作業があります。それが「木殺し」です。両方の板が接合する面を玄能で叩いて、木の繊維を潰して圧縮させます。せっかく擦り合わせの作業で材を隙間なく合わせたのにもったいないと思ってしまいますが、この木殺しには...
14/01/2022

板を接ぎ合わせる工程ではもう一つ大事な作業があります。それが「木殺し」です。両方の板が接合する面を玄能で叩いて、木の繊維を潰して圧縮させます。せっかく擦り合わせの作業で材を隙間なく合わせたのにもったいないと思ってしまいますが、この木殺しには板の隙間を更に埋める役割があります。板が水に濡れた際に潰れた木の繊維が元に戻ろうと膨らむことで、わずかな隙間もしっかりと塞ぐのです。

この木殺しの作業に使われる玄能は、片方が丸く、もう片方が細い長方形の形で、両端の先が丸く膨んでいます。田尻さんは修業していた頃に郡上市にいた野鍛冶に作ってもらったそうです。今回のプロジェクトにあたり、各務原市の野鍛冶に依頼したところ、ヒツ穴(柄を差し込む穴)を抜くには高度な技術が必要なこと、自分ができる溶接でのヒツ穴では内部の角度や形を再現できないとのことで断られてしまいました。
片口玄能と似た外見なので、船大工見習いが写真と実物を見比べながらネットオークションで古い玄能を購入したものの頭が重く、形状も少し違ったため、あまり適したものではありませんでした。せっかく買った玄能を使えないかと、頭の重さや形を合わせようとグラインダーで調整してみたものの、今度は頭の両側でバランスが悪くなってしまい、なかなかうまくいかない様子です。

一見同じようでも形には意味があり、市販品を工夫するにも一筋縄ではいきません。和船用の手道具を今後どのように入手or再現させるかは課題の1つです。

写真1:上がネットオークションで購入した古い玄能を調整しているもの。下が田尻さんの玄能。

写真2:ヒツ穴も形が異なります。

#岐阜 #岐阜匠の道具 #森林文化 #職人 #鍛冶職人 #木工 #鵜飼 #鵜舟 #舟大工 #修業 #後継者育成 #玄能

岐阜県立森林文化アカデミーに建てられた仮設小屋で行われている鵜舟の造船作業は、今はシキと呼ばれる舟の底板の接合作業の最中です。鵜舟は全長13m。1枚の板を加工するわけではなく、何枚もの板を接ぎ合わせて作ります。シキの作業で最も重要な工程は「...
07/01/2022

岐阜県立森林文化アカデミーに建てられた仮設小屋で行われている鵜舟の造船作業は、今はシキと呼ばれる舟の底板の接合作業の最中です。

鵜舟は全長13m。1枚の板を加工するわけではなく、何枚もの板を接ぎ合わせて作ります。シキの作業で最も重要な工程は「擦り合わせ」。鵜舟など和船では接着剤を使わないため、水の侵入を防ぐには板や部材を隙間なく接合させる必要があります。擦り合わせでは「スリノコ」や「ウラボソ」と呼ばれる専用の鋸を接合する板と板との合わせ目に入れて、板に平行に挽きながら板を少しずつ密着させていきます。この時、板が接合する面(ツラ)に鋸刃による細かい溝がつくのですが、この溝で水の侵入路を複雑にすることで浸水を防ぐ効果があるそうです。

スリノコは、鋸の元が横挽き刃で、先が縦挽き刃になっており、鋸刃やアサリも元が多め&大きめで、先が少なめ&小さめになっています。擦り合わせの大半の作業は元の横挽き刃部分を使い、擦り合わせが終わった後に一旦板を外して、鋸刃の跡を見ながら先の縦挽き刃部分やウラボソを使って修正します。

このスリノコやウラボソですが、今では作る鋸職人や取り扱う道具店がほぼ無いそうです。見習いの3人も周辺の道具店やネットオークションで探しても見つからず、田尻さんのアイデアで市販の替刃式鋸を改造して作業にあたっています。それでも替刃式鋸が使えるのは途中までで、最終仕上げでは田尻さんのスリノコやウラボソが必要になります。既製品である程度代用はできても、仕上げなど肝心な作業では鍛冶職人や目立て職人の手による鋸が無ければ、求められる性能を達成できないのです。

写真1:上がスリノコ、下が替刃式鋸。板を傷つけないように替刃式鋸の背を丸く加工しています。鋸刃の大きさや目の細かさがスリノコと替刃式鋸で反対になっているため、作業にも工夫が必要です。

写真2:ウラボソと呼ばれる細いスリノコ。通常のスリノコが入らない場所にも使われます。

#岐阜 #岐阜匠の道具 #森林文化 #職人 #鍛冶職人 #木工 #鵜飼 #鵜舟 #舟大工 #修業 #後継者育成 #鋸

木工手道具の普及に大きな役割を果たしている「削ろう会」の前会長で、長野県上松技術専門校の指導員・校長も務めた上條勝先生(66歳)が今月初めに亡くなられました。私たち岐阜県の匠の道具調査では、2019年6月に新潟県で行われた「越後与板打刃物職...
24/12/2021

木工手道具の普及に大きな役割を果たしている「削ろう会」の前会長で、長野県上松技術専門校の指導員・校長も務めた上條勝先生(66歳)が今月初めに亡くなられました。

私たち岐阜県の匠の道具調査では、2019年6月に新潟県で行われた「越後与板打刃物職人祭」や、9月に行われた「全国削ろう会・信州伊那大会」でお会いして、鍛冶職人をめぐる厳しい現状や今後のあり方などについてお話を伺いました。調査を続ける中でこれからもご指導いただこうと考えていた矢先でした。

また、私(森林文化アカデミー・久津輪)は鉋の調整のことで資料を読んでも分からないことがあると上條先生にご連絡して、そのたびに丁寧に教えていただいたことが心に残っています。手道具の世界において絶対的な信頼を寄せられる大黒柱のような方だったと思います。全国の数多くの作り手から慕われた先生でした。
心からご冥福をお祈りいたします。

写真は2019年の越後与板打刃物職人祭にて。右が上條勝先生です。

岐阜長良川鵜飼保存会による「鵜舟の造船・舟大工育成事業」で指導に当たっている田尻浩さんに修業当時の状況を伺いました。田尻さんが舟大工を目指したのは約40年前。元々は家業で浴槽や桶など木工小物を作る仕事をしていましたが、郡上・美濃地域にいる舟...
10/12/2021

岐阜長良川鵜飼保存会による「鵜舟の造船・舟大工育成事業」で指導に当たっている田尻浩さんに修業当時の状況を伺いました。

田尻さんが舟大工を目指したのは約40年前。元々は家業で浴槽や桶など木工小物を作る仕事をしていましたが、郡上・美濃地域にいる舟大工が1人だけという話を耳にします。水を漏らさないなど桶と舟に求められる技術が似ていること、桶の材も鵜舟と同じコウヤマキであることから興味を覚え、幼少時から親しんでいた川文化がなくなってしまう危機感やお父様の勧めもあり、舟大工を志望したそうです。

当時は岐阜市に1人、犬山市に1人の舟大工がいたものの既に高齢だったため、50代と“若手”の舟大工だった美濃市の那須清一さんに弟子入り。田尻さんが舟大工を志さなければ、岐阜県の舟大工は現在90歳の那須さん1人だったかもしれないと思うと、当時でさえぎりぎりの状態だったことがうかがえます。

ところで、舟大工になるには最低10年かかると言われています。田尻さんも約8年間修業し、1年に7〜8艘、修業期間全体で50〜60艘ほどの川舟を製造したそうです。けれども、今回の事業は6年かけて1年に1艘ずつ作る計画。技術を継承させるには十分な作業量とは決して言えませんが、田尻さん自身、弟子を育成することはないだろうと思っていただけに、できる限りの技術を伝えたいと意欲を示しています。

そして、現役で鵜舟を作れる舟大工が自分1人だけという事実は結構重大なのに、岐阜県民でも知らない人が多いことも少し気になっているそうです。鵜飼を支える職人が少なくなっている現状を広く知ってもらい、舟大工見習いとなった3人を温かく応援してもらえたらと話していました。

写真は、田尻さん(中央)がカスガイの打ち方とポイントを教えている様子です。食い入るような目で田尻さんの手元を見ています。

#岐阜 #岐阜匠の道具 #森林文化 #職人 #鍛冶職人 #木工 #鵜飼 #鵜舟 #舟大工 #修業 #後継者育成

岐阜といえば鵜飼をイメージされる方も結構いるかと思います。川を下りながら漁をする長良川の鵜飼漁は夏の風物詩として、観光の目玉にもなっている伝統文化です。1300年以上の歴史があり、2015年には「長良川の鵜飼漁の技術」が国重要無形民俗文化財...
26/11/2021

岐阜といえば鵜飼をイメージされる方も結構いるかと思います。川を下りながら漁をする長良川の鵜飼漁は夏の風物詩として、観光の目玉にもなっている伝統文化です。1300年以上の歴史があり、2015年には「長良川の鵜飼漁の技術」が国重要無形民俗文化財に指定された鵜飼漁ですが、実はその存続には大きな課題を抱えています。

最も大きな課題は、鵜舟の老朽化と県内にいる現役の舟大工が90代と60代の2人だけということ。鵜舟は鵜匠にとって最も大事な道具。鵜舟が無くては鵜飼を続けることはできません。そして、鵜舟に必要な材や釘などの手道具の供給にも課題を抱えており、これらの課題に組織的に取り組むため、岐阜長良川鵜飼保存会による「鵜舟の造船・舟大工育成事業」がスタートしました。

郡上市の舟大工・田尻浩さんの指導の下、鵜舟の船頭を務める3人が舟大工見習いとなり、板の加工や組み合わせ方、釘の打ち方、手道具の使い方など舟造りの基本的技術を習得しながら、毎年1艘ずつ、岐阜の鵜匠6人分の舟を作る予定です。

使われる手道具は鑿、鉋、鋸、玄能など基本的な大工道具から、鉈(なた)などの林業道具、カタノミやモジと呼ばれる特殊なものまで様々です。さらにはカスガイや舟釘など鉄の部品もあり、鵜舟にもそれを支える鍛冶職人が存在します。岐阜の文化にどのように鍛冶職人が関わっているのか、舟大工技術や手道具、取り巻く課題と合わせて少しずつ紹介していこうと思います。

なお、今年度の鵜舟の造船・舟大工育成事業は、11月4日〜3月18日(期間は鵜舟の進捗状況で変更)まで岐阜県立森林文化アカデミー(美濃市)で行われます。期間中は見学可能ですので、作業スケジュールなどを岐阜市のHPで確認しながら足を運んでみてください。岐阜が誇る伝統文化を担う職人さんの実際の作業を間近で見られる貴重な機会です!

🗓 作業スケジュール
☞岐阜市ホームページ
https://www.city.gifu.lg.jp/kankoubunka/bunkazai/1013873/1013885/1013890/1013892.html

写真は、シキと呼ばれる底板の作業の様子です。

#岐阜 #岐阜匠の道具 #森林文化 #職人 #鍛冶職人 #木工 #鵜飼 #鵜舟 #舟大工 #修業 #後継者育成

皆さんの中には「長岡クラフトフェア」をご存知の方も多いかと思います。新潟県長岡市で開催されているクラフトイベントで、全国から工芸作家が集まり、作品の展示販売が行われています。このイベントに第一回から参加していたのが鉋鍛冶・水野刃物製作所の水...
12/11/2021

皆さんの中には「長岡クラフトフェア」をご存知の方も多いかと思います。新潟県長岡市で開催されているクラフトイベントで、全国から工芸作家が集まり、作品の展示販売が行われています。

このイベントに第一回から参加していたのが鉋鍛冶・水野刃物製作所の水野清介さんでした。水野さんの事業所があるのは、大工・木工用刃物の産地として古くから有名な長岡市与板町。最も“若い”鍛冶職人が60代と高齢化が進み、後継者が育っていないという課題を抱えていました。水野さんからそんな話を聞き出したのが、長岡クラフトフェアの開催や運営をサポートしている市民団体「ソラヒト日和」でした。

「500年の歴史が消えてしまう。そんなことがはあってはならない。」と強い危機感を抱きます。さっそく与板町の鍛冶職人に働きかけ、長岡市の伝統工芸後継者育成支援事業補助金やクラウドファンディングを利用し、後継者育成に乗り出しました。InstagramなどSNSを活用して弟子を募集した結果14名の応募があり、その中から選ばれた似鳥透(にたどりとおる)さんが2020年10月より水野さんの下で修業に入っています。

行政とのやりとり、広報、工芸支援のノウハウを持つ市民団体が組み合わさることで、鍛冶職人だけでは動き出すことができなかった後継者の発掘や育成を前進させた1つの事例です。

水野さんが似鳥さんを選び出した理由がまた面白いので、ぜひデータブックの80〜81ページをご覧ください📖
☞データブックURL:https://www.forest.ac.jp/academy-archives/tools_databook2019-2020/

また、似鳥さんは自身の修業の様子をウェブやInstagramで発信しています。こちらもご覧いただきながら、この取り組みを応援ください📣
ちなみに、水野鉋製作所さんは今週末(11/13〜14)に京都府亀岡市て開かれる第36回全国削ろう会で出店予定とのことです。こちらもぜひ足を運んでみてください。

越後与板打刃物組合:https://yoita-uchihamono.com
似鳥透さんInstagram:

写真は、越後与板打刃物伝承会からお借りした修業の様子です。

#岐阜 #岐阜匠の道具 #森林文化 #職人 #鍛冶職人 #木工 #木造建築 #大工 #木工職人 #鉋 #鉋鍛冶  #与板町 #後継者育成

暗い話が続きましたので、今回は明るくイベント紹介をします。手道具好きには有名な「削ろう会」。鉋削りをはじめ、手道具や伝統技術の可能性を追求する会です。会場では鉋の薄削り大会、丸太のはつり、上棟式で行われる木遣りなどが披露されます。大工や木工...
21/10/2021

暗い話が続きましたので、今回は明るくイベント紹介をします。
手道具好きには有名な「削ろう会」。鉋削りをはじめ、手道具や伝統技術の可能性を追求する会です。会場では鉋の薄削り大会、丸太のはつり、上棟式で行われる木遣りなどが披露されます。大工や木工職人、鍛冶職人、道具店などの他、伝統技術に興味のある一般の人達が集まり、わいわいと楽しみながらその腕を競います。

削ろう会は、普段は直接のつながりがない道具の使い手と作り手をつなぐ役割も果たしています。

もう何年も前に削ろう会に出店した新潟県のとある鉋鍛冶。自信を持って製品を並べたものの、大工たちから鉋の出来を酷評されてしまいます。このままではダメだと奮起し、丁寧に大工の声を聞き取りながら改良を重ね、削ろう会に出店し続けるうちに大工から信頼を得て、今では全国から注文が入るようになったそうです。

「削ろう会が無ければ、鉋は道具としてとっくに廃れていたし、伝統技術を学ぼうと思う若い人も出てこなかった」と使い手、作り手、繋ぎ手のどの立場からも言われるほど、今や重要な場になっています。

10月23〜24日に第2回越後三条ミニ削ろう会が、11月13〜14日に第36回全国削ろう会・京都亀岡大会が開催される予定です。競技に参加しなくても、皆さんの手道具愛に溢れた雰囲気とその凄技で、見学だけでも楽しめます。ぜひ足を運んでみてください。

京都亀岡大会には調査チームの杉田 悠羽さん()がオリジナルの南京鉋と一緒に出店予定です。ぜひお声がけください!

削ろう会と亀岡大会の詳しい情報は以下のHPをご確認ください。
削ろう会Web:http://kezuroukai.jp/about/index.html
亀岡大会Web:https://kezuroukai2020.com/index.html

写真は、2019年に長野県伊那市で開催された信州伊那大会の様子です。

#岐阜 #岐阜匠の道具 #森林文化 #職人 #鍛冶職人 #木工 #木造建築 #削ろう会 #大工 #木工職人 #鉋 #鉋薄削り

鉋台はその良し悪しで刃の切れ味が変わると言われるほど重要な部品です。鉋台の材はカシ。鉋刃が鍛冶職人によって1枚1枚手仕事で作られるため、鉋台も鉋台職人が機械加工の後、手仕事で微調整して鉋刃に合わせます。しっかりした嵌め合いと、用途に合わせた...
14/10/2021

鉋台はその良し悪しで刃の切れ味が変わると言われるほど重要な部品です。鉋台の材はカシ。鉋刃が鍛冶職人によって1枚1枚手仕事で作られるため、鉋台も鉋台職人が機械加工の後、手仕事で微調整して鉋刃に合わせます。しっかりした嵌め合いと、用途に合わせた正しい角度で刃の仕込みがなされて初めて、鉋は削る道具としての機能を発揮できます。


現在、鉋台職人は新潟県三条市と兵庫県三木市に集中していますが、三木市の鉋台職人は全員平鉋や大鉋専門で、小鉋用の鉋台を生産しているのは新潟県のみ。三条市で小鉋台も作る職人5軒への聞き取り調査では、機械設備などの理由で製造できる鉋台が限られていること、技術的に生産できても、効率面を考慮すると対応できないケースも多いということが分かりました。


また、小鉋は特に種類が多いため、鉋台職人毎にそれぞれ得意分野を持ち、専門性を高めることで生産量を上げていました。しかし、手道具需要が低下するにつれ、生産技術が伝承されないまま廃業や引退してしまったそうです。つまりは、今後生産できる小鉋台の種類も限られつつあるということ。生産性を高めるための分業制が今では仇となってしまった一例と言えます。


この小鉋の状況や各産地のデータをもう少し知りたい方は、ぜひデータブックのp56〜p73をご覧ください📖


写真は、鉋台職人の手作業場と、鉋台職人特有の手道具である片口玄能(台屋槌)です。鉋台を作るには多くの鑿や鋸、玄能も必要と、互いの職人が密接に関わり合っているのが分かります。

#岐阜 #岐阜匠の道具 #森林文化 #職人 #鍛冶職人 #木工 #木造建築 #聞き取り調査 #鉋台職人 #特殊鉋 #小鉋

一般的に、刃幅が約5.45cm以下で鉋台も短いものが小鉋として分類されています。その他、特殊鉋と呼ばれる鉋も小鉋に含まれ、五徳鉋、際鉋、四方反り鉋、南京鉋などその種類は数百以上もあると言われています。敷居や障子の加工や組子細工など伝統建築に...
07/10/2021

一般的に、刃幅が約5.45cm以下で鉋台も短いものが小鉋として分類されています。その他、特殊鉋と呼ばれる鉋も小鉋に含まれ、五徳鉋、際鉋、四方反り鉋、南京鉋などその種類は数百以上もあると言われています。

敷居や障子の加工や組子細工など伝統建築に用いるほか、椅子やスプーンの曲面を削ったり、ヴァイオリンなど楽器の製作に用いたりと、様々な分野の職人が手にする小鉋。その特殊さゆえに登場回数も注文数も少ない手道具ですが、それぞれがその小鉋にしかできない役割を担っていて、刃の形状も斜め刃、丸刃、三角刃、細刃など用途に合わせて様々です。

道具店が今後の供給を最も心配しているのがこの小鉋です。平鉋を作る鉋鍛冶や一部の鑿鍛冶や彫刻刀鍛冶も小鉋を作ってはいるのですが、作ることのできる種類は限られています。現在、小鉋を専門に作っている鉋鍛冶は新潟県長岡市の1軒だけなのです。

その小鉋鍛冶は小森小鉋製作所。祖父の代から続く鉋鍛冶の家系で、兄の小森秀樹さん、弟の正樹さん、秀樹さんの奥様のみどりさんの3人体制で全国からの注文に対応しています。生産している小鉋は豆平鉋、際鉋、立鉋、反鉋、内外丸鉋、各種面鉋などが中心で、多い時には1日に1種類で100枚の刃を作ることもあるそうです。

秀樹さんは70代、正樹さんは60代で、今のところ後継者はいません。聞き取り調査で伺った際には、「自分たちの代で終わりかな」と話していた小森さん。その言葉に現実味があるだけに、多くの鉋台職人や道具店は強い危機感を抱いています。

そして、この小鉋の課題は鍛冶職人だけに止まりません。次回は鉋に欠かせない鉋台職人の状況について紹介したいと思います。

写真:小森小鉋製作所の作業場の一部。所狭しと機械が並んでいました。

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岐阜県
Mino-shi, Gifu
501-3714

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