映画女優のエレガンス【映画鑑賞教室】

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都内で映画鑑賞教室を定期的に開催しています。ハリウッドクラシックや戦後ヨーロッパ映画の女優のエレガンスや美についての講座です。内なる高貴さを体現している女優たちの本質に迫ります。
長らくお休みしておりましたが、2026年中に徐々に再開いたします。(2027年をめどに本格的な再開を考えております)
なお、基本的にはこれまでのお客様と、その紹介の方のみといたします。
ただし、例外的にご参加可能な場合があります。もしご興味あれば、お問合せください。 クラシックなハリウッド映画と戦後ヨーロッパ映画で活躍した女優を1講座(2時間)で取り上げます。代表作品からの抜粋を上映しつつ、女優のエレガンスや美についての講義をいたします。ハリウッドクラシックや戦後ヨーロッパ映画の女優のエレガンスや美についての講座です。エレガンスとは、外見の造型的な美しさではなく、外へと滲み出してくる心の高貴さや豊かさと考えます。

Photos from 映画女優のエレガンス【映画鑑賞教室】's post 05/06/2026

本日6月5日はステファニア・サンドレッリの生誕80周年です。
それを記念して、ステファニアの作品を紹介しています。
(1946年6月5日生まれ)


『暗殺の森』(1970)
監督 ベルナルド・ベルトルッチ
共演 ジャン=ルイ・トランティニャン、ドミニク・サンダ
撮影 ヴィットリオ・ストラーロ

【あらすじ】
若い哲学講師のマルチェロは少年の頃、彼を犯そうとした男を射殺した罪悪感に今もさいなまれていた。
その苦しみから解放されるためファシズムを選択した彼に、パリ亡命中の恩師の教授を調査するよう密命が下る。
ハネムーンを口実にパリに赴いたマルチェロと妻ジュリアは、快く教授に迎え入れられた。
だが、恩師の若妻アンナには目的を悟られてしまい、敵意を抱かれると同時に深い仲にもなってしまう。
やがて、別荘に向かう教授夫妻は、マルチェロの目前で暗殺されるのだが……


『ラストエンペラー』で知られるベルトルッチによる映画史上に残る傑作です。

1970年前後のベルトルッチは、本当に素晴らしく、この頃、フランス映画やハリウッドが下火になりましたが、唯一ベルトルッチだけが気を吐いていました。

撮影も至高の撮影監督ヴィットリオ・ストラーロです。
その後、アメリカにわたり、アカデミー賞撮影賞を受賞します。


ベルトルッチのミューズの1人がステファニアです。

ステファニア・サンドレッリは、1946年6月5日 イタリア生まれ。
バレエ学校に入学し、1959年に地元の水着コンテストをきっかけにモデルでデビュー。
1961年『GIOVENTU DI NOTTE』で映画出演。
1965年に未婚のまま生んだ娘のアマンダ・サンドレッリも女優です。


この作品ではステファニア・サンドレッリだけでなく、ドミニク・サンダも素晴らしく、
ステファニアとドミニクとが2人で踊るタンゴのシーンは、真に美しく、映画史上に残るエレガンスです。


ジャン=ルイ・トランティニャンによるファシストの物語であるこの映画において、女たちは主演とは言い難い存在です。
しかし、強烈に知的でスキャンダラスな印象を残すドミニクに対し、ステファニアは、頭の弱い女性を過剰に強調した演技で、逆に深い印象を残すのは、私だけでしょうか。
1930年代を舞台にしていることもあり、ステファニアはガルボのような古典的な造形美を誇っているように思います。

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本日6月5日はステファニア・サンドレッリの生誕80周年です。
それを記念して、ステファニアの作品を紹介します。
(1946年6月5日生まれ)


『誘惑されて棄てられて』(1963)
監督 ピエトロ・ジェルミ
共演 サロ・ウルツィ
撮影 アイアーチェ・パロリン
製作 フランコ・クリスタルディ

【あらすじ】
家族が寝静まった頃、一人勉強にいそしむアネーゼに関係を迫る姉の婚約者ペッピーノ。
しかし彼女は妊娠、家族の知る所となる。
家名を傷つけず解決するには姉との婚約を解消し妹と結婚することが一番と思われた。
ところが彼は、自分の所業を棚に上げ、妹を尻軽女と罵り、姉の婚約も流れてしまう。
家長であるヴィンチェンツォは、怒り心頭、家の名誉を地に落とした男の殺害を企てるが・・・。


ステファニアの出世作『イタリア式離婚狂想曲』(1961)に続く、ピエトロ・ジェルミの作品です。
製作も、同様にフランコ・クリスタルディです。


イタリアの古い慣習を皮肉った悲喜劇です。

ステファニアはそうした慣習の犠牲となる、唯一まともな存在を演じております。
ステファニアは一度たりとも笑うことなく、眼を伏せてばかりいます。
机で物を書いたり、裁縫をしたり。

そして、視線をあげるときは、古い慣習に対する怒りや強い感情を示すときだけです。


また、最も美しいショットは、彼女を横から捉えたショットです。
涙を流しながら、姉に対する告白の手紙を書くステファニアへ、落ちる光が美しく感動的です。


このフィルムは冒頭から、ステファニアが、街を家政婦と歩くシーンから始まります。
黒い服を着て、眼を伏せながら歩く、その長身でスリムな体型が美しく、
新スターであるステファニアへ対する、フランコ・クリスタルディとピエトロ・ジェルミの期待が分かります。

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本日6月5日はステファニア・サンドレッリの生誕80周年です。
それを記念して、ステファニアの作品を紹介します。
(1946年6月5日生まれ)


『イタリア式離婚狂想曲』(1961)
監督 ピエトロ・ジェルミ
共演 マルチェロ・マストロヤンニ
撮影 レオニーダ・バルボーニ

【あらすじ】
シチリアの没落貴族の末裔フェルディナンドは12年連れ添った女房ロザリアに辟易としていた。
彼は事あるごとに彼女が死ぬことを妄想する。
離婚が禁じられているこの国では、妻が死なない限り別れられないのだ。
そんなフェルディナンドは年甲斐もなく美しい従妹アンジェラに憧れを抱いていた。
ある夜、フェルディナンドはアンジェラの日記を通じて、彼女もまた自分に恋心を抱いていると分かり有頂天となった…


弱冠15歳のステファニアの出世作です。


ちょっとチープな脚本にもかかわらず、『刑事』の名匠ピエトロ・ジェルミが演出していることもあり、手堅い出来に仕上がっています。

意外にも、アカデミー脚本賞、カンヌ国際映画祭コメディ賞を受賞している作品です。

この作品に加え、『誘惑されて棄てられて』(1964)で、ステファニア・サンドレッリを演技派スターに育てたのもジェルミの功績であると言われています。


なお、製作のフランコ・クリスタルディは、この作品で、離婚を禁止したイタリア民法に異議申し立てをします。

その結果、イタリア民法で離婚が認められることとなり、フランコ・クリスタルディは1966年にクラウディア・カルディナーレと結婚することになります。

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本日6月4日は、アンジェリーナ・ジョリーの生誕51周年となります。(1975年6月4日カリフォルニア州ロサンジェルス生まれ)
それを記念して彼女の作品を紹介します。


『チェンジリング』(2008)
監督 クリント・イーストウッド
共演 ジョン・マルコヴィッチ、ジェフリー・ドノヴァン
撮影 トム・スターン

【あらすじ】
1928年。ロサンゼルスの郊外で、9歳の息子・ウォルターと幸せな毎日を送る、シングル・マザーのクリスティン。
だがある日突然、クリスティンの勤務中に、家で留守番をしていたウォルターが失踪。
誘拐か家出か分からないまま、行方不明の状態が続き、クリスティンは眠れない夜を過ごす。
そして5か月後。警察から息子が発見されたとの朗報を聞き、クリスティンは念願の再会を果たす。
だが、彼女の前に現れたのは、最愛のウォルターではなく、彼によく似た、見知らぬ少年だった――


大変な傑作です。

実話に基づいているという「取り替え子」の荒唐無稽な展開や、爽快感のある復讐の物語が魅力的なのですが、それだけではないように感じます。


アンジーは、いかにも1920年代風の髪の短いフラッパーガールの母親として登場します。
女性電話交換手たちのマネージャー役として、アンジーは、彼女たちの背後にある通路をローラースケートで移動するのですが、その軽やかさな動きは、全篇に翳りのあるこの映画の深刻さと対照的です。

また、彼女のまとう、明るめのモスグリーン色の、薄手の衣裳のエレガンスはどうでしょう。


後半では、アンジーはほとんど髪の毛を披露することがなくなります。
それにより、先の職場では見せていたショートヘアが隠され、アンジーの大きな瞳と赤く厚い唇が強調されることになります。
まるで、息子を世界に奪われ、腐敗した警察への怒りをストレートに出すことを禁じられたことの象徴かと思うほどです。
あるいは、当時の世界で大人気を博していた、サイレント映画の声なき主人公であるかのようです。
声ではなく、彼女の唇こそが感情を雄弁に語っているようです。

復讐劇と言いつつも、最愛の息子は帰ってくることがなく、観る者は重い悲しみとともにスクリーンを観ることになるのですが、翳りのある映像にいつの間にか、不思議な心地よささえ感じるほどです。


ラストシーン近く、息子と共に監禁されていたという少年が語る息子のエピソードを、マジックミラーごしにアンジーは耳を傾けるのですが、そのショットの素晴らしさは、驚嘆に値します。

マジックミラーに、アンジーの顔が二重に映り込み、私たちはアンジーの横顔を2つ目にすることになります。
そこでは、つばの広い帽子が見事な曲線を見せており、アンジーはその帽子にまもられたかのようです。

「ママに会いたい」と言う少年のいる取調室に、刑事の許可を得ることなく、母親が飛び込み、少年を抱きしめるという感動的なシーンで、アンジーは涙を流し、うつむきます。
その涙は、母を恋う息子のいたいけさに由来するのか、自分にはそうした息子がいないという悲しさに由来するのか、わからないのですが、その涙は本当に美しいです。

あのアンジーがこんな美しい涙を見せるとは。


その後、ラストシーンではアンジーは不敵な笑みを刑事に見せ、自分の息子はいまは帰ってきていないのだが、先の少年のように無事でいるはずだ。私には確かな希望がある、と言い、アンジーは、市外電車が通る街中を歩き去っていく姿で終幕となります。

しかし、先に口にされた「希望」という言葉と裏腹に、続くテロップでは「クリスティン・コリンズは生涯息子を探し続けた」と続き、私たちは鈍い感動に胸を打たれます。

この映画にあるのは、息子を失った母親の悲劇や、捜索を阻害した警察への復讐や、それでも探し続ける母親の希望といったテーマですが、しかし、このエンディングにはそれらを超えた、なにか黒々とした異物のような広がりがあり、観る者に対して、そんなどす黒いものを飲み込んでしまったかのような体験を、クリント・イーストウッドは与えてくれます。

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本日6月4日は、米国の女優ロザリンド・ラッセルの生誕119周年です。
それを記念して、彼女の代表作を紹介いたします。


ロザリンド・ラッセル/Rosalind Russell

1907年6月4日 - 1976年11月28日
コネティカット州生まれ
カトリック学校に通った後、ニューヨークの演劇学校で演技を学んだ。
ファッション・モデルやブロードウェイでの経験を経た後、ユニヴァーサル映画と契約したが、すぐにMGMに移り、1934年に映画デビュー。
アカデミー賞ノミネートは4回、ゴールデングローブ賞を5度受賞、トニー賞も受賞しており、映画・舞台の両方で活躍した。


こちらの作品は、Amazonプライムビデオで無料で視聴可能です。


『ヒズ・ガール・フライデー』(1940) Columbia
監督 ハワード・ホークス
撮影 ジョセフ・ウォーカー
共演 ケーリー・グラント

【あらすじ】
カゴ・エグザミナー紙の編集長ウォルターと離婚したばかりの敏腕記者ヒルディは、記者稼業に嫌気が差し堅気の男性ブルースとの再婚を予定していた。
彼女に未練があるウォルターはヒルディに最後の仕事を頼む。
それは翌朝、警官殺しの罪で死刑が予定されているアールの取材だった。
だが早速取材に出かけたヒルディは、アールの罪に疑問を抱きはじめた……。


映画史におけるロザリンド・ラッセルと言えば、この作品で最高のコメディエンヌとして記憶されています。
この映画でのマシンガントークの凄まじさ --- エレガンスを保ちつつの --- は、驚嘆に値します。
巨匠ハワード・ホークスのコメディの中でも、最高傑作の部類に入るでしょう。


シャープな柄の入ったスーツと帽子をまとって、元新聞記者ロザリンド・ラッセルは颯爽と登場します。
その端正な眉と、涼し気な瞳は、実に軽やかで聡明な印象を残します。

その後、ケーリー・グラントの罠によって、正義感から取材の仕事に舞い戻ってしまった彼女は、電話でしゃべりまくり、タイプライターを素早くたたきます。

更には、手がかりになる人物がいれば、スカートの裾を押さえながら、走って追いかけ、タックルして止めます。

近年であったら、キャメロン・ディアスあたりがやりそうな体当たりの演技ですが、ロザリンド・ラッセルは、キャメロン・ディアスより遥かにエレガントな身のこなしで、私たちを魅了します。


重要なのは、単なるドタバタ劇ではない点です。
ロザリンド・ラッセルが仕事に夢中になってしまったことに加えて、ケーリー・グラントのやりすぎた罠により、結婚予定のフィアンセが偽札の容疑で警察に捕まったことを知って、彼女が号泣するシーンは、ロザリンド・ラッセルの心の美しさが露呈しているかのようで、胸が痛くなります。

そんなセンティメンタリズムが、慎ましくブレンドされているところが、この映画の素晴らしさです。


なお、ローレン・バコールは、この映画のロザリンド・ラッセルを絶賛して以下のように述べています。(山田宏一の著書からの孫引き):

「監督ハワード・ホークスの考えでは、常に、どんなシーンでも、女は男っぽい態度で――無礼に、生意気に――演じるべきなのであった。
やられたらやり返すこと、力なく肩を落として妥協してはならない。
ハワードの考えていたことが文句なしにはっきりと表われている好例が『ヒズ・ガール・フライデー』である。
『犯罪都市』のリメイクだったが、主役の新聞記者の役を女性に変えたのだった―― ロザリンド・ラッセルがその役を演じた。
そして、それは、もうこれ以上考えられないくらいうまくいっているのだった。」


正に、「無礼に、生意気に」の相棒が、この映画のロザリンド・ラッセルです。
妻でも娼婦でもない、相棒=ヒズ・ガールがロザリンド・ラッセルの魅力です。


なお、『ホリデイ』(2006)では、ケイト・ウィンスレットがこの映画を観るシーンがあります。

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6月3日は、フランソワーズ・アルヌールの生誕95周年でした。
それを記念して、フランソワーズの作品を紹介しています。
(1931年6月3日生誕 - 2021年7月20日死去)


この作品は未来の世代のために保存される傑作です。


『ジャン・ルノワールの小劇場』(1970)
監督 ジャン・ルノワール
共演 フェルナン・サルドゥー、ジャン・カルメ
撮影 ジョルジュ・ルクレール

【あらすじ】
ルノワール本人がひとりの劇場主として登場し、4本の短編を紹介するオムニバス作品。
第4話 イヴトーの王様
南仏の陽光の中で繰り広げられる、気のいい初老の男と、なまめかしく魅力的な若い妻、そして彼女とつい関係を結んでしまう中年の医師の物語。


『フレンチ・カンカン』(1954)の16年後に、再びルノワール作品にフランソワーズは出演します。

この作品も、『フレンチ・カンカン』同様に、ルノワールらしい人間賛歌です。
そして、本作がルノワールの遺作となるのですから、更に感慨深いものがあります。

「未来の世代のために1本だけ映画を保存するとしたら、私はこの作品を選ぶ。」
(エリック・ロメール)


そこで、フランソワーズは、うっかり不倫をしてしまう人妻の役を演じているのですが、
貞淑ながらも、楽天的な奔放さが魅力です。
愛と笑いと涙と、と書くと、まるで相田みつをみたいで嫌なのですが、本当にそうなのですから、仕方がありません。
クロースアップが、ラストシーン直前まで無い、抑制されたキャメラワークが効果的であるとだけ、今日は書き留めておきます。

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本日6月3日は、フランソワーズ・アルヌールの生誕95周年です。
それを記念して、フランソワーズの作品を紹介しています。
(1931年6月3日生誕 - 2021年7月20日死去)


フランソワーズ・アルヌールは、フランス領アルジェリアであったコンスタンティーヌで軍人の娘として生まれ、1945年にパリへ移りました。
アンドレ・バウアー=テロンに演劇を学び、4年後に映画デビューを果たします。
すぐに、ウィリー・ロジエ監督が"L'épave"(1949)の女性主役に起用し、その後10年間、フランソワーズはバルドー以前のセックス・シンボルとしての地位を保ちました。


この作品では、彼女の天衣無縫の存在感を味わうことができます。


『フレンチ・カンカン』(1954)
監督 ジャン・ルノワール
共演 ジャン・ギャバン
撮影 ミシェル・ケルベ

【あらすじ】
1888年のパリで上流向けのクラブを営んでいたダングラールは、下町のキャバレーで見初めた踊り子ニニに触発され、自分の店を処分し、その店“白い女王”を買い取り、カンカンの復活を軸とした新しいショウを見せる娯楽の殿堂にしようと画策。
しかし、女性にもてる彼をめぐって、以前の店からのスター、ローラとニニが衝突を繰り返し、ローラに気のある出資者が援助を止めたりして、なかなか計画通りにいかない。
ニニにはポウロというパン職人の恋人があったが、嫉妬深い彼よりダングラールの渋さに参ってしまった…


なんという人間賛歌の映画でしょうか。
ルノワールの映画は、ギリシア芸術のように、明朗で肯定的なのですが、テクニカラーによる作品は圧巻です。
(ほかにも、イングリッド・バーグマン主演の『恋多き女』も同様の素晴らしいカラー作品です。)


フランソワーズ・アルヌールは、カンカンダンサーを演じています。
コケティッシュな魅力と、丸顔の親しみやすさが存分に発揮されています。
その好色的な楽天性。これぞ、フランス映画です。


そして、彼女の喜怒哀楽と、共演のジャン・ギャバンの枯れつつあるニヒリズムとのケミストリーは、実に映画的な感動があります。
(クライマックスでの、舞台裏で椅子に座り、静かにリズムをとるギャバンの演技は感涙ものです)

「その場の恋に命を削るルノワール流の恋愛至上主義が大らかに肯定される。
これが人間だ!
全篇のクライマックスは、ムーラン・ルージュ開店の夜の舞台風景で、官能的なカンカン踊りを踊り狂うダンサーたちの群舞は、ミュージカルの本場アメリカのそれを超えた映画史上唯一の映画といって過言でない。」
(中条省平)

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本日6月3日のフランソワーズ・アルヌールの生誕95周年を記念して、フランソワーズの作品を紹介しています。
(1931年6月3日生誕 - 2021年7月20日死去)


『パリジェンヌ』(1961)
監督 クロード・バルマ
共演 フランソワーズ・ブリオン
撮影 アルマン・ティラール

【あらすじ】
第3部 フランソワーズ
フランソワーズは、ニューヨークに住むパリジェンヌ。
不誠実な恋人フランクとケンカをしたため、久しぶりに故郷のパリへやって来た。
彼女のパリの友人ジャクリーヌは、彼女の軽はずみな恋愛を叱責し、自分の完全無欠な恋人ミシェルを彼女に紹介した。
だが、フランソワーズはジャクリーヌの留守にミシェルを誘惑、二人は行きつくところまで行ってしまった。
そこへジェクリーヌが帰って来て...


ドヌーヴの出世作としても有名なオムニバス作品です。
フランソワーズは、30歳。若い時の作品よりも妖艶な魅力を醸し出しています。

今日は写真だけとなります。

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本日6月3日は、フランソワーズ・アルヌールの生誕95周年です。
それを記念して、フランソワーズの作品を紹介しています。
(1931年6月3日生誕 - 2021年7月20日死去)


『禁断の木の実』(1952)
監督 アンリ・ヴェルヌイユ
共演 フェルナンデル
撮影 アンリ・アルカン

【あらすじ】
うだつのあがらない中年医師のペルグランが、マルセイユで一人の娘と関係を持った。
彼女の若々しさの虜になった彼は、妻を偽り、娘を病院でアルバイトさせる。
だが、やがて彼との関係に飽きた娘は、村を出ていくが……。


フランソワーズの初期作品で、監督アンリ・ヴェルヌイユとフランソワーズの数多くの作品の1つでもあります。

フランソワーズのコケティッシュな魅力を強調した映画で、
フランソワーズの脚を強調したショットや、下着姿のショットが度々挿入されます。

しかしながら、撮影監督がアンリ・アルカンということもあり、
決して下品な出来にはなっておらず、手堅いメロドラマとなっています。
BB登場の前の、のんびりとしたフランス映画の良さを堪能できます。


妻の役のミシュリーヌ・ゲイリーも好演しています。

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来る6月3日のフランソワーズ・アルヌールの生誕95周年を記念して、フランソワーズの作品を紹介しています。
(1931年6月3日生誕 - 2021年7月20日死去)


『女猫』(1958)
監督 アンリ・ドコアン
共演 ベルナール・ブリエ
撮影 ピエール・モンタゼル
衣裳 ギ・ラロッシュ

【あらすじ】
1934年、ドイツ侵攻により夫を失ったコーラは彼の遺志を継ぐため自分も諜報部員となり、レジスタンス活動に加わり見事に敵の機密書類を奪い取ることに成功する。
ひと仕事終えた彼女はバーで偶然ある男と知り合うが、彼はナチスの諜報部員だった。
この偶然を知ったナチスのハインツ大尉は彼をスイス人の新聞記者ベルナールとして彼女に近づけていった。
そうとも知らない彼女は徐々にベルナールに心惹かれていく……。


フランソワーズが主演の映画で、男優より強い印象を残します。
ラストシーンも彼女のある結末に焦点が当たっており、フランソワーズの代表作とされる作品です。


この映画では、タイトル通りに、彼女と猫との類似が主題になっています。
ストッキングを脱いだり、スカートを持ち上げたりするシーンがあり、かすかにエロティックな印象を残します。
しかしながら、女猫としての彼女は、こっそりとナチスから機密書類を持ち出すわけで、それは極めて政治的なテーマに沿った作品となっています。


それは、単なる政治的な映画ではなく、明暗を強調した白黒撮影により、重々しく、時に、不穏な空気を生む、魅力的な映画に仕上がっています。


この映画で、彼女が猫にたとえられるシーンは、ドイツ軍の中で似顔絵を作成するシーンです。
そのシーンでは、とりわけ、彼女の持つ、顎が尖った逆三角形の小さな顔、やや切れ長の眼が強調されるのですが、じっさいに、この映画で私たちを魅了する彼女の容貌はそうしたものです。

逆三角形の小さな顔 --- フランスの大御所女優のダニエル・ダリュー、ミシェル・モルガン、そしてドヌーヴのようなうりざね顔と対照的です ---は、フランソワーズの特徴であり、その後、BBや、イタリアのクラウディア・カルディナーレへと引き継がれて、大きなトレンドとなります。

とはいえ、フランソワーズの造形美だけを称揚したいだけではありません。

フランソワーズの迷い --- 夫亡き後に現れた男ベルトラン・ブリエへの愛と、夫の仇を討ちたいという意志との間での揺れ動く様子が、明暗を強調した白黒の画面において、翳りのある美しさをもたらしていて、それがこの映画の最大の魅力となっています。


衣裳は、クレジットされていませんが、ギ・ラロッシュであり、彼女の黒いレインコートは話題になったそうです。
『霧の波止場』のミシェル・モルガンを思い出させます。

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