社会学と有機化学の院生によるディスカッションの振り返りコメントを更新しました!
「研究室の光景・探求の現場」担当:崔・吉田・村上(司会)
https://sojin-no-mikata.jimdo.com/%E8%AC%9B%E7%BE%A9/13-%E7%A0%94%E7%A9%B6%E5%AE%A4%E3%81%AE%E5%85%89%E6%99%AF-%E6%8E%A2%E6%B1%82%E3%81%AE%E7%8F%BE%E5%A0%B4/
「ディスカッションを終えて」
今回のディスカッションでは、有機化学、及び社会学における研究方法、あるいは研究の性質が大きなテーマになったかと思います。文系出身で、現在、社会学関連の文献を扱った理論研究を主に行っている私にとって、理系出身で、有機化学をご専門とされている吉田さんの研究方法や研究の性質は、非常に新鮮なものとして感じました。また、ディスカッションを行うにあたっての、有機化学と社会学との「接点」はどこにあるのかという点に関して、私自身少し不安ではありましたが、村上さんのご尽力により、ディスカッションも円滑に進行したかと思います。
また、議論やコメントを含め、ディスカッション自体が非常に「学際的」なものであったと個人的には感じました。もちろん、有機化学と社会学を扱う以上、「学際的」であるのは当然かもしれませんが、こうした面も含めて、総人・人環らしさが前面に押し出されていて、そうした側面を少しでも垣間見ることができて、私自身としましても、非常に楽しくディスカッションを行うことができました。
崔昌幸(社会学)
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今回のディスカッションでは社会学と有機化学の研究手法の違いが主題となりました。文系・文献からの理論研究を行っている崔さんと理系・実験を研究手段とする私とで果たして議論が成立するのか不安もありましたが、司会の村上さんが丁寧に舵を取ってくれたおかげで、お互いの研究の進め方を具体的に見せることができてよかったと思います。私が担当した二回の講義でも(教科書的な知識よりも)研究の現場をイメージしてもらおうという狙いがあったので、今回の議論を通して自分の講義内容を補強でき、また今まで想像もしたことがなかった社会学の研究室の様子を見られたのは非常にありがたいことでした。
ディスカッションの後半では無機化学・触媒を研究している浪花さんが登壇しました。浪花さんとは研究分野が近く普段から交流がありましたが、研究室内(の写真)を見たのは初めてでした。お互いの実験設備でよく似たところ、異なっていたところが見てとれて興味深かったのですが、参加者にはうまく伝えきれなかったかもしれません。
フロアからの質問では研究現場での感覚をすでに持っているかのような具体的な質問が多くて驚きました。研究室配属後をしっかりイメージできている人が多いようで頼もしいと感じました。
吉田(有機化学)
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昨年度前期は野外のフィールドで活躍する院生が登壇したのに対し、今回は研究室で活躍する有機化学と社会学の院生が登壇しました。前回までの講義内容も丁寧に補足され、また研究風景についても充実したスライドで紹介することができ、学部生に「研究の現場」を伝える目的は十分に果たされたと思います。京都大学では日夜様々な領域の研究者が活躍していますが、表からは見えないところで研究者は地味な努力を続けているはずです。
ところが研究領域が異なると、互いにどのような現場で日々格闘しているかなど知る機会もありません。工学部出身者と文学部系出身者が議論した今回のディスカッションは、その意味でも非常に稀有なことだったと思います。当日の直前までスライドの訂正に手間を惜しまれなかった登壇者の二人には研究者としての誠実さを感じました。両人に感謝します。
村上絢一(中世日本史)
総人のミカタ
京都大学大学院人間・環境学研究科の院生による総合人間学部生への模擬講義企画。Facebook更新は止まっていますが、企画は継続中です。詳細はX(Twitter)にて。
人間・環境学院生による総合人間学部生への模擬講義企画です。毎週木曜5限に総人棟1102で実施中です。
興味のある方はお気軽にお越しください。なお他学部や学外の方の参加も大歓迎です。
主催:「総人のミカタ」運営委員会
後援:学際教育研究部(京都大学人間・環境学研究科、総合人間学部)
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31/08/2019
化学の二回目の講義の「講義を終えて」と「アシスタントコメント」を更新しました。
「21世紀の化学:環境に関わる諸問題の解決に向けて」
担当:吉田真人
https://sojin-no-mikata.jimdo.com/%E8%AC%9B%E7%BE%A9/12-21%E4%B8%96%E7%B4%80%E3%81%AE%E5%8C%96%E5%AD%A6/
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「講義を終えて」
第一回の講義ではこれまでの人類の歴史の中で化学が果たした役割を解説しましたが、第二回では、①これからの有機化学に求められる社会からの要請を知ってもらうこと、②教科書的な「お話」ではなく、大学の研究室では具体的にどんな研究が行われているのかをイメージしてもらうこと、この二点を目標としました。第一回と比べて専門的な内容が増えるため、どこまでの知識を前提とするのかについてはかなり神経を使いました。原子効率やエネルギーといった重要な概念は問題なく伝わったと感じましたが、無条件に有機化合物の構造式を出すのはよくなかったようです。フリートークでの反応を見ると、前半部分はよく伝わったようでしたが、後半の情報量が多く伝えきれなかったようです。
二度の講義で、化学研究のスピード感をイメージしてもらう、という裏の目標を設定していました。分野が発展するスピード感というのはあまりない切り口だったかと思いますが、細かく年代を出したり、世界の研究者の熾烈な競争を見せたりといった工夫が成功したようです。
講義後の検討会においては声量、話し方、スライドの作りなどの技術は概ね好評で大きな自信になりました。一方で、化学式を多用するやり方はこちらが想像していたよりも理解の妨げになるようで、化学式を別の見せ方に置き換える工夫が必要だったようです。
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「アシスタントコメント」
前回の「ハーバー・ボッシュ法」の講義では,アンモニア合成がなぜ重要な問題になるのかを,化学の観点からだけでなく,歴史的観点を含めたより広い視野から論じていた。今回もその手腕は健在で,特に環境問題に引きつけながら,社会的な観点と化学の観点の双方をバランスよく踏まえて講義が展開されていた。また,講義後の検討会では,終盤になされた「同じ研究をしている世界中の研究室の対立構図」についての話題が特に高く評価されていた。研究者同士の実際の「バトル風景」が立ち現れてくるような講義は受講者にとっても新鮮で,かつ次週のディスカッションにもつながるトピックだったのではないだろうか。
ところで,院生質疑では,研究の倫理や方向性に関わる「指針」「ガイドライン」それ自体を,メタにかつ批判的に検討する仕組みが果たして化学者コミュニティのなかにあるのかという趣旨の問いを投げかけた。
やや棘のある言い方をすれば,研究のある側面に関する評価基準を「外的に」与えられ,そのモノサシで測られることを無批判に受け入れるという研究姿勢で良いのか?という質問をしたつもりだ。この類の問題は,グリーンケミストリーの12箇条のような化学の分野だけでなく,さまざまな分野で生じており (詳細は省くが,もちろん私の専門分野でも生じている),異分野の比較項としてよく機能するのではないかと思われた。ただ,質問者はこの意図を十分にはうまく言語化できなかった。反省しきりである。
しかし,その一方で,フリートークの時間に受講者の一人から「あなたたちはちゃんと考えているのか?という怒りのようなものを院生質疑から感じた。それをもっと出しても良かったのではないか」と言われた。たとえひとりだったとしても,受講者に響く質疑ができたことを素直に嬉しく感じた。
総人のミカタに関わり始めて2年半。きっと私を含め院生はそれなりに成長したことだろう。それに留まらず,学部生も含め,みんなで工夫し試行錯誤しながらつくってきた学びの空間に立ち込める空気それ自体が,互いにより響き合う「良き媒質」へと変容してきているのかもしれない。
萩原広道(発達科学 リハビリテーション)
21世紀の化学-環境に関わる諸問題の解決に向けて- 担当:吉田真人
24/07/2019
以下の講義の「講義を終えて」と「アシスタントコメント」を更新しました。
「インターネットと公共性」担当:崔昌幸
https://sojin-no-mikata.jimdo.com/%E8%AC%9B%E7%BE%A9/11-%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%A8%E5%85%AC%E5%85%B1%E6%80%A7/
「講義を終えて」
第二回目の講義では、「インターネットと公共性」という題目のもと、講義を行いました。具体的には、前回の講義を簡単に振り返ったのち、①E-Democracyをめぐる議論の紹介、②コミュニケーション手段としての討議、ないし熟議プロセスについて、③集団分極化とその対応策について、具体例を交えながら講義しました。また、最後には質問形式のもと、E-Democracyに関するご意見を、フロアから二つ頂戴しました。
二回目とあって、ほとんど緊張することなく講義を行うことができました。また、テーマ上、どうしても抽象的な議論になりがちな部分は、ある程度、具体例や言い換えなどによって補うことができたと思います。しかしながら、本講義の目標がしっかりと定められなかったことから、スライドの作り方や流れから始まり、本講義で何を一番伝えたかったのかという根本的問題、すなわち公共性が今日的諸問題と深い関係にあるということについては結局、ほとんど触れられることはできませんでした。
ですが、初回、ならびに二回目の講義を通じて、講義の方法論等を少しでも獲得することができたと個人的には思っております。以上の収穫を通じて、これからの研究や教育に活かしていく所存です。
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「アシスタントコメント」
前回よりも落ち着いて話し, スライド一枚一枚の情報量はほどよく調節され、前回の授業に対するフィードバックを感じられた。また、本の紹介しながら授業が進み、参考文献も充実していたため、講義に興味を持った学生への配慮も見られる。
しかし、授業内容や授業全体の流れをすぐに理解することが難しかったように思われる。その原因は、授業中に扱った概念の理解度に関するギャップや、理論を説明する授業の構成法の難しさにあるのではないかと考えられる。
受講者に理論を分かりやすく理解してもらうための概念に対する自分なりの説明や歴史的経緯、具体例などを用いて授業を行うと、より分かりやすい授業になったのではないかと思う。
伊縫寛治(解析学)
インターネットと公共性 担当:崔昌幸
24/07/2019
以下の「ディスカッションを終えて」を更新しました。
「文化」ってどう読み解くの?
担当:伊藤・奥田・山根(司会)
https://sojin-no-mikata.jimdo.com/%E8%AC%9B%E7%BE%A9/10-%E6%96%87%E5%8C%96-%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%A9%E3%81%86%E8%AA%AD%E3%81%BF%E8%A7%A3%E3%81%8F%E3%81%AE/
「ディスカッションを終えて」
今回のディスカッションは、社会心理学の伊藤さんと、「文化」の定義や研究方法などを巡って行いました。
まず、事前に課題を共有しておいたことで、あまり言葉に詰まることなく掛け合いができたこと、山根さんの捌き方が上手く、流れの良いディスカッションができたと思っています。
ディシプリンや研究方法の違いなど、学部生にはまだまだ分かりづらいような点もあったかとは思いますが、一つのモノをどう見るか、その「ミカタ」を提示することは、ある程度できたのではないでしょうか。私たち自身も、何かしら研究に活かせる部分、お互いの分野の位置づけについて、新たな発見ができたのではないかと思います。
奥田(アメリカ史)
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分野も方法論も全く異なる方とディスカッションするのは初めてだったので議論が成立するかどうかを案じていたのですが、無事スムーズなディスカッションを実現できたように思います。これもひとえにディスカッションを準備する際に積極的にリードしてくださった奥田さんと山根さんのおかげです。
質的研究・量的研究はその方法論から対比されることが多く、また両者の間で交流することも少ないように思います。しかし、いずれの立場をとるにせよ、世界に溢れる不思議や疑問を明らかにしたいという目的自体は共有しています。今後学際的な交流が盛んになるにあたって、どのようにこれら二つを統合してさらなる知の産出につなげていくのかを考えることは重要になってくると思います。本ディスカッションが、質的・量的研究の違いを明示しただけに留まらず、皆様にこうした問題を考えていただくきっかけになっていれば幸いです。
伊藤(社会心理学)
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今回は「文化」をテーマに歴史学の奥田さんと社会・文化心理学の伊藤さんにディスカッションをしていただきました。
分野の違いによって、言葉の定義や研究方法、見出す意義は異なりつつも、実はゆるやかに連関していることが少し見えたのではないでしょうか。
このような分野間の差異と連関に気づく機会は、専門分野に引きこもっていてはなかなか得られないものです。
「ものの見方」は無数にあります。どの「見方」を選ぶかは自分次第です。いくつ選んでも良いし、自分で組み合わせて新しいものを作っても良いでしょう。
しかし、ここで大切なのは、自分が選ばなかった「見方」を軽視しないことだと思います。
積極的に他の見方を学び、比べた時にこそ、自分の「見方」の問題点や意義が明確に浮きあがってくるのだと思います。
そして同時に、比べた相手の分野の重要性もそうやって理解していけるのではないでしょうか。
今回のディスカッションがその一例を示せていれば幸いです。
山根(日本近代文学)
「文化」ってどう読み解くの? 担当:伊藤・奥田・山根(司会)
29/06/2019
以下の「講義を終えて」と「アシスタントコメント」を更新しました。:
「アメリカ外交と文化:第二次大戦期~冷戦初期を題材に考える」
https://sojin-no-mikata.jimdo.com/%E8%AC%9B%E7%BE%A9/9-%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E5%A4%96%E4%BA%A4%E3%81%A8%E6%96%87%E5%8C%96/
「講義を終えて」
今回の講義では、①第二次世界大戦期~アイゼンハワー政権期の米外交史の概観を行った後、②各論として教育・科学技術を外交に利用しようとした事例を二つ紹介し、③「広報・文化外交」がどのようなものか、実際にどのように行われ、かつ冷戦史・米外交史においてどのような位置づけを与えられうるかということをお話ししました。
前回と同様、必ずしも世界史を受講していない学生に対してどの程度専門用語を含め、かつどの程度まで深い事象に踏み込むかなど、考えることが多かった印象があります。また、年表を用意することや、スライドに大統領、または政策担当者などの顔写真など画像を張り付け、よりイメージがしやすくなるような形にする必要があったのかな、という点が課題でした。
しかし、前回と比べ、学生への問いかけができた点や、前回はできなかった公文書館における調査の様子を写真と共に見せられたこと、ウケもちゃんととれたこと、そのあたりは良かったのかなと思っています。この講義をきっかけに、国際文明学系、特にアメリカ史・国際関係論への興味を持ってくれたら、それ以上に喜ばしいことはありません。ありがとうございました。
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「アシスタントコメント」
今回の講義は、戦後アメリカ外交史の概略と、各論として教育や科学技術とアメリカ外交との関わりについてのものであった。
ところどころ世界史の前提知識を必要とするような、あるいはやや情報量の多い講義ではあったものの、要領を得たまとめ方とスムーズな話し方によって、受講する側は内容理解を促進されていたように思われる。
講義終盤には、奥田さんご自身の現地での史料収集に関する体験談があった。哲学研究において、海外のライブラリーのようなところに赴いて、哲学者の実際の遺稿を閲覧するということもありえなくはないのだろうが、私自身がそういった研究方法をとっていないため、大変興味深くお話を聴かせていただいた。
奥田さんが撮影された、現地での写真を交えながらのお話によって「海外での現地調査」が具体的にイメージしやすいものとなり、受講している学部生にとって大変有意義な講義となったのではないだろうか。
三升(哲学)
アメリカ外交と文化:第二次大戦期~冷戦初期を題材に考える 担当:奥田俊介
25/06/2019
今週の総人のミカタはこちら!
今回は、総人棟【1B05】に教室変更です。ご注意を!!
インターネットと公共性
担当:崔昌幸
https://sojin-no-mikata.jimdo.com/%E8%AC%9B%E7%BE%A9/11-%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%A8%E5%85%AC%E5%85%B1%E6%80%A7/
さてみなさん。前回の講義で、社会(科)学における「公共」(あるいは「公共性」)の意味が少しでもお分かりいただけたかと思います。今回の講義では、テーマをより現代的なものに移し、インターネット上における公共性について考えてみたいと思います。
今や誰もがパソコンやスマートフォンなどでインターネットを用いる、言わば総インターネット社会と言っても過言ではありません。そのインターネットというある種の空間における公共性という議論が、実は社会(科)学の分野ではたびたび起こっています。すなわち、E-Democracy(電子民主主義)は果たして実現可能かという議論がそれです。
人々がインターネット上で話し合えば合意形成がなされるのではないか、という単純な問題ではありません。例えば、その中には政治に対して何の興味も持たない人がいるかもしれないですし、そもそも、インターネット上でどのように話し合うべきかという規定も定かではありません。
今回の講義では、前回紹介したユルゲン・ハーバーマスの社会理論にもとづいて、インターネット上においてE-Democracyは果たして実現可能かどうかについて考えていきましょう!
インターネットと公共性 担当:崔昌幸
19/06/2019
今週の総人のミカタは、異分野ディスカッションです。
社会心理学と、外交史の専門家が、以下のようなテーマで議論します。
場所は、総人棟1102です。
なお、今回は、ディスカッション終了後に、京大近辺で懇親会を予定しています。懇親会のみの参加も歓迎です(院生1000円、学部生500円の予定)
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「文化」ってどう読み解くの?
https://sojin-no-mikata.jimdo.com/%E8%AC%9B%E7%BE%A9/10-%E6%96%87%E5%8C%96-%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%A9%E3%81%86%E8%AA%AD%E3%81%BF%E8%A7%A3%E3%81%8F%E3%81%AE/
皆さんは「文化」というと、何をイメージしますか?
日本文化、海外文化、ハイカルチャー、サブカルチャー、最近よく聞く文化資本などなど。
芸術? 生活様式? 社会の仕組み?
日常的に使う言葉なのに、いざそれが何かと問われると、ふわっとしていてよくわからないですよね。
今回、登壇される伊藤さんのご専門である社会・文化心理学、そして、奥田さんのご専門である歴史学は、ともに「文化」を対象とする学問です。
しかし、その定義づけや、研究方法、見出す意義はそれぞれ随分と違うようで……?
今回は、お二人からそれぞれの「文化」の読み解き方とその意義をお聞きし、お二人の研究が合わさったとき、何が見えてくるのかを、激論していただきたいと思います!
「文化」ってどう読み解くの? 担当:伊藤・奥田・山根(司会)
14/06/2019
以下の講義の、「講義を終えて」と「アシスタントコメント」を更新しました。
「文化心理学入門 –心の文化差とその起源–」(担当:伊藤篤希)
https://sojin-no-mikata.jimdo.com/%E8%AC%9B%E7%BE%A9/8-%E6%96%87%E5%8C%96%E5%BF%83%E7%90%86%E5%AD%A6%E5%85%A5%E9%96%80/
「講義を終えて」
本講義の目標は、1) 文化心理学の基礎的なトピックを紹介し、人の心のあり方が文化によって異なること、2) そうした心の違いは人が生き抜いてきた、あるいは現状置かれている社会生態学的な環境の違いを反映している可能性があることをお伝えすることでした。また、人の心や社会性を考えるにあたって進化論的なミカタを取ることの面白さを伝えることが、2回の講義全体を通した大きな目標でした。
前回に引き続き、受講生の方々のコメントや講義後の検討会では情報量の多さと話し方(早口で抑揚がない)に関する指摘を多くいただきました。これら2点については前回の反省からかなり意識はしていたのですが、まだまだ改善が不十分でした。特に後者に関しては自分のクセなので、講義の経験を積んでいく中で少しずつ改善していきたいと思います。また、個々の研究における詳細な手続きやその研究が持つ限界についてきちんと聞きたかった、話すべきだったというコメントも多くいただきました。今回は社会・文化心理学が描こうとしている big picture をお伝えすることに専念するため、そうした情報は意図的に省いたのですが、今後はこれら2つをいかにバランス良く盛り込むかについて慎重に検討しながら講義を組み立てていきたいと思います。
これまで大学の非常勤講師として勤めたことがないので、60分というまとまった時間で講義を行ったのは本企画が初めてでした。実際に模擬講義を行い、フィードバックをいただくことで、それまでは想像していなかった様々な改善点が浮き彫りになり、大変勉強になりました。今後、大学で講義を担当することになった際には本企画で学んだことを生かしてより良い講義を組み立てられるように頑張りたいと思います。この場を借りて、模擬講義に参加して下さった受講生の皆様と総人のミカタの運営に携わる皆様に感謝申し上げます。
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「アシスタントコメント」
今回が、社会心理学の二回目の講義だった。非専門家の前で話す機会がほとんどなかったという割に、物慣れた雰囲気だった。話しぶり、具体例、補足、講義の構成、どれも完成度が高い。本人は緊張していたと言うが、受講生にはわからなかっただろう。
とはいえ、改善点がないわけではない。早口で、切れ目なく話がちである、(紹介する実験数やトピック数など)情報量が多く、個別の実験やトピックについての紹介に繊細さが欠ける、ステレオタイプ的な語り口になっている、用語の解説が不十分/不用意であるといった点は、改善の余地がある。
私の研究する哲学者たちが、(当時の)社会心理学者でもあったこともあり、伊藤さんの研究分野と「ものの見方」は遠くない。それゆえ、アシスタントが担当する「院生質疑」では、より繊細な論点について話そうと考えた。
しかし、複数の論点を一度に二つの質問で聞こうとしたため、まとまりのない内容になったことを反省している。限られた時間で、すべてを聞くのは困難だったろう。
それゆえ、論点を削ぎ落し、より端的な形で、ここに質問とその意図を再掲しておきたい。
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1.「一枚岩でない文化をどう捉えるか」
講義中で用いられた「文化」という言葉がざっくりしていた。講師も、ある国の文化が一枚岩と考えているわけではないはずだ。紹介された研究では、母集団に支配的な特徴を捉え、それを母集団の特徴として「一般化」しているが、とはいえ、少数派の特徴が、その国の文化として些細というわけでもないだろう。結論上の一般化がもたらしかねないステレオタイプについてどう考えているのだろうか。
2.「実験結果の語り方について」
得られたデータや、用意されたグラフが母集団の多様性を捉えていたとしても、そして、実際のデータ解釈は繊細だったとしても、実験結果を語る段階では、「AはBである(日本人は~だ)」という物言いになっている。その点について、何らかのエクスキューズが引き出せればと考えた。
というのも、一部の東洋思想家、一部の京都学派、そして、今西錦司・梅原猛・梅棹忠夫といった人たちの「文明論」が作ったステレオタイプを、科学的な装いで肯定するような側面もあったからだ(彼らへの態度は、人によって色々あるだろうが、私は、意義がないわけではないにせよ、相当警戒すべきだと考えている)。
お気づきの方もいるだろうが、これらは、同じことを二つの観点から聞いている。次お会いするときには、ざっくばらんに、改めてこれらの論点を議論してみたいと思う。
谷川(哲学・観光学)
文化心理学入門 –心の文化差とその起源– 担当:伊藤篤希
今週の総人のミカタは、外交史です!
教室は総人棟1102、本日5限、お待ちしていますー!
「アメリカ外交と文化:第二次大戦期~冷戦初期を題材に考える」https://cms.e.jimdo.com/app/s319e11ba15c9435a/p50cb80b5544859b9/?safemode=0&cmsEdit=1
前回の講義では、外交史が扱う事例や内容、外交史研究の方法論を、資料調査の経験談と共にお話ししました。今回はもう少し具体的に「米文化と冷戦」というテーマについてお話ししたいと思います。
「冷戦」は、定義も起源も定まっていない、曖昧な概念です。ですが、直接戦争は行わないものの、朝鮮戦争やベトナム戦争、核開発などを通し、東西両陣営が激しく対立した時代であったということはできるでしょう。そして、この時代は同時に、東西の「文化」の優劣もまた争われた時代でした。
戦間期に花開いた映画産業や、先進的な科学技術、教育制度など、様々な「米文化」は、第二次大戦期以降、急速に外交のために用いられるようになります。冷戦初期の時代までに、米政府がこれらの文化・技術等をどのように用い、如何なるアメリカ像を提示しようとしたかを概観することで、外交を「文化的視点から見る」一つの例を提示したいと考えています。
05/06/2019
「講義を終えて」と「アシスタントコメント」を更新しました。:「世界を変えた高圧化学反応―ハーバー・ボッシュ法―」 https://sojin-no-mikata.jimdo.com/%E8%AC%9B%E7%BE%A9/7-%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%82%92%E5%A4%89%E3%81%88%E3%81%9F%E9%AB%98%E5%9C%A7%E5%8C%96%E5%AD%A6%E5%8F%8D%E5%BF%9C/
「講義を終えて」
本講義では、①有機化学は、生活の土台部分を支えていること、②化学平衡や触媒のはたらき、③日本人化学者が活躍している最先端の研究とそのスピード感、この3点を伝えられたらと考えていました。大勢の学部生の前で講義をするというのは初めてだったので不安はありましたが、なんとかついてきてもらえる作りにできたように思います。
上に挙げた目標のうち、①についてはできる限り専門的な説明を避け、気楽に聞けるように心がけました。講義後の検討会でもこの方針に一定の手ごたえを感じましたが、一方で平坦な説明が続くため、聴衆を引き付ける工夫が必要だったという指摘もあり、このあたりのバランス感覚が課題となりそうです。
今回何かを「持って帰ってもらう」とすれば②の内容だったのですが、講義後のフリートークや講義後の検討会では③の部分に興味を引かれた方が多かったようで、こちらの狙いをもっと明確にしておくべきでした。②の部分がやや抽象的な話になってしまい、ハーバー・ボッシュ法という題材を生かしきれなかったのは大きな反省点です。
講義全体を通して専門的な内容にほとんど踏み込んでいないのが心残りで、不満を持たれた方もかなりいたようです。次回は講義内容がもう少し専門的なものになるので、うまく噛み砕いて説明できたらなと思います。
なお、検討会において明確な誤り/誤解を招く表現が指摘されました。以下に訂正します。
①根粒菌を菌類と言いましたが、バクテリアあるいは微生物と言うべきでした。
②アンモニア合成は人口爆発の原因ではなく、人口増加を支える大きな要因だったというのが本意です。
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「アシスタントコメント」
講義の構成としては、ハーバー・ボッシュ法の歴史的経緯にはじまり、化学平衡の解説を経て、アンモニア合成をめぐる最新の研究動向の紹介する、という充実した内容で、これらのトピックをコンパクトにまとめられていた講義だった。歴史的な背景から最新の動向まで言及でき、さらに比較的身近であるため初学者の関心も引きやすいアンモニアという具体例の選択は、非常に効果的だったように思う。同じような構成を社会学でするのは恐らく困難なので(前提知識が増えて60分ではまとまらない)、そうした意味でも有機化学の特徴をうまく捉えて構成された講義だったといえるのではないか。
また、化学平衡を使って化学反応をみることが有機化学の「ものの見方」であるという視点の提示も非常にわかりやすかった。院生質疑では、ここで提示された視点を活かして、化学平衡を使って反応を操作する(反応に介入する)だけでなく、反応メカニズムの発見・記述についてはどのくらい意識しているのかという旨の質問をしたが、いわゆる応用/基礎のような対概念を使った方がわかりやすかったかもしれない。質疑のやり取りもやや錯綜してしまった感があるが、howについて最初から問いを立てる場合も多い社会学に対して、化学は実験結果が得られた後でそれを解釈するためにメカニズムを考えるという順序の違いがクリアになった点は、結果的にはよかったと思う。
真鍋(社会学)
世界を変えた高圧化学反応-ハーバー・ボッシュ法- 担当:吉田真人
05/06/2019
発表者である、北川さん、濱口さんよりコメントを頂きました。ありがとうございました。
「発表を終えて」を更新しました。:上回生の卒論の話を聞いてみよう!!
https://sojin-no-mikata.jimdo.com/%E8%AC%9B%E7%BE%A9/6-%E4%B8%8A%E5%9B%9E%E7%94%9F%E3%81%AE%E5%8D%92%E8%AB%96%E3%81%AE%E8%A9%B1%E3%82%92%E8%81%9E%E3%81%84%E3%81%A6%E3%81%BF%E3%82%88%E3%81%86/
「発表を終えて」
この度は発表の場をいただきありがとうございました。
初めて自分の研究内容を聞く方に対していかに誤解のないよう簡潔に伝えるかという点に重きを置いて発表したつもりです。いただいたコメントやご質問から、基盤となる概念についてまだまだ勉強不足であることや、現段階での仮説では説明しきれない部分があることに気が付くことができました。最終的にこれらの問題を解消できるよう今後の研究を進めてまいります。
北川梓織(分析哲学)
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他分野の院生さんたちや、素朴な疑問を持つ下級生たちとの対話を通した交流によって、自分の研究がどういった信念体系の上に成り立っているのか、調査結果に基づく考察が、妥当性のあるものになっているのかということを見直すいいきっかけになりました。
学部ゼミの方では発表機会がそう多くないため、ゼミ発表前に自分の研究を概観する貴重な場であったと思います。大変ありがとうございました。
濱口修人(発達心理学)
上回生の卒論の話を聞いてみよう!! 担当:総人上回生
03/06/2019
今週の総人のミカタは、こちら!!
「文化心理学入門:心の文化差とその起源」(担当:伊藤篤希)
https://sojin-no-mikata.jimdo.com/%E8%AC%9B%E7%BE%A9/8-%E6%96%87%E5%8C%96%E5%BF%83%E7%90%86%E5%AD%A6%E5%85%A5%E9%96%80/
1990年代前半に文化心理学が誕生して以降、それまで普遍的だと考えられていた心の性質の多くに文化差が存在することが明らかにされてきました。本講義では「文化的自己観」や「包括的思考/分析的思考」といった文化心理学における基礎的なトピックを中心に、日本を含む東アジア文化圏と欧米文化圏の比較を通して見出された心の文化差についてお話しします。
また、近年の文化心理学では国際比較による文化差の実証を超えて、人々が生きる環境に着目することで心の文化差が発生するに至った起源を探求する研究が盛んに行われています。本講義では発展的な内容として、こうした社会生態学的アプローチによる研究についてもお話しします。
文化心理学入門 –心の文化差とその起源– 担当:伊藤篤希
場所
カテゴリー
住所
Kyoto-shi, Kyoto
営業時間
| 16:30 - 18:00 |