10/06/2026
【論文掲載のご報告】
大学院生の合田志穂です。
この度、研究論文“Efficacy and safety of nintedanib for older adults with idiopathic pulmonary fibrosis or progressive fibrosing interstitial lung disease: A multicenter retrospective study in Japan”がRespiratory Investigation誌に掲載されましたのでご報告致します。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42247823/
本研究は、実臨床での高齢間質性肺疾患患者におけるnintedanibの有効性・安全性を評価することを目的に実施致しました。国内15施設の高齢者191例、若年者212例を対象に、nintedanib導入後の努力性肺活量(FVC)の変化量やnintedanibの有害事象について検討しました。
nintedanib導入後の年間FVC変化量は高齢者-61.4mL/年、若年者-61.3mL/年と同等でした。高齢者では減量用量での使用や短期間の使用が多いものの、有害事象の発現率、発現時期、重症度は若年者と高齢者で有意差は認めませんでした。この結果から、高齢患者においても適切な用量調整や副作用対策を行うことで若年者と同等の有効性と安全性が期待できると考えられました。
髙山教授、山田准教授をはじめご指導いただきました多くの先生方、ならびに多大なご支援・ご協力を賜りました共同研究機関の先生方に、この場をお借りして深く感謝申し上げます。今後も臨床に還元できるような新たな知見を発信できるよう、引き続き研究に励んでまいります。
04/06/2026
【ASCO2026参加報告】
オハイオ州立大学に留学中の森本健司です。2026年5月29日から6月2日まで、アメリカ・シカゴで開催されたASCO 2026に参加いたしました。
私はSPIRAL-ANA研究(化学免疫療法を受けるがん悪液質合併進行非小細胞肺がん患者におけるアナモレリンの有効性と安全性を検討した前向き観察研究)の結果についてポスター発表を行いました。アナモレリンは日本でのみ承認されているがん悪液質治療薬ですが、海外の研究者や臨床医の方々からも非常に多くの質問やコメントをいただき、本研究への関心の高さを実感するとともに、大変良い刺激を受けました。研究内容について活発な議論を交わすことができ、自分自身の研究を新たな視点から見つめ直す貴重な機会にもなりました。
また、国立がん研究センターの藤井博之先生も参加されており、久しぶりにお会いして近況を報告し合うことができました。海外の学会で日本の先生方と再会できるのも、大きな楽しみの一つだと感じました。
ASCOへの参加は今回が初めてでしたが、会場の規模の大きさに圧倒されるとともに、多くの重要な臨床試験の結果が発表され、最新のがん研究や治療の動向を直接学ぶ貴重な機会となりました。
シカゴは美しい高層ビル群と歴史的な建築が共存する魅力的な都市で、学会の合間には街の雰囲気や食文化にも触れることができました。学術的な学びだけでなく、国際学会ならではの交流や経験を通じて、多くの刺激を受けた充実した数日間となりました。
今回得た知見や経験を今後の研究・診療に活かし、より良いがん医療の発展に貢献できるよう引き続き精進してまいります。
01/06/2026
【論文掲載のご報告】
大学院3年生 / 埼玉医科大学国際医療センターに留学中の武井翔太です。
この度、研究論文 "The CD4+ T cell population partners with Tpex CD8+ T cells to mediate antitumor immunity in the tumor microenvironment"
がNature communications誌に正式にpublishされました。
The CD4+ T cell population partners with Tpex CD8+ T cells to mediate antitumor immunity in the tumor microenvironment. Nat Commun. 2026;17(1):4552. Published 2026 Mar 28. doi:10.1038/s41467-026-71161-0
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41904165/
抗腫瘍免疫において必要なCD8⁺ T細胞のプライミング、増殖、機能は、樹状細胞を介してCD4⁺ T細胞により支援されます。肺癌領域のキードラッグである免疫チェックポイント阻害薬の作用点として知られるPrecursor exhausted CD8⁺T細胞(Tpex)は、自己再生能を維持し持続的に細胞傷害性CD8⁺ T細胞を供給しますが、そのパートナーとなるCD4⁺ T細胞は明らかでありませんでした。
本研究では、肺癌患者の末梢血、腫瘍、およびリンパ節を解析し、 当科において研究を進めている Th1-like CD4⁺T細胞 "Th7R(IL-7R high CCR4-CCR6+CD4⁺ T細胞)" がTpexと数的および空間的に対応して存在することを示しました。当初末梢血から同定されたTh7Rは腫瘍微小環境内にも存在し、腫瘍内の三次リンパ組織(TLS)においてTpexと共局在しており、TLS形成に重要な遺伝子であるLTβおよびCXCL13を発現していました。また、マウスモデルにおいて、Th7Rの養子移入は抗腫瘍効果を得られたのみならず、Tpexを優先的に増加させました。以上より、Th7RはTpexのパートナーとして作用し、長期的な抗腫瘍T細胞免疫の維持に寄与することが示唆されます。
動物実験や臨床データの解析など、貢献させていただいた範囲は限定的ではありますが、当施設の各務教授をはじめ、多くの先生方の御指導・御協力により、研究成果を公表できましたことを改めて感謝申し上げます。今後もこちらで新たな知見を発信できるように精進してまいります。
The CD4+ T cell population partners with Tpex CD8+ T cells to mediate antitumor immunity in the tumor microenvironment - PubMed
CD4⁺ T cells support the priming, expansion, and function of CD8⁺ T cells through dendritic cells. Precursor exhausted T cells (Tpex) maintain self-renewal and supply cytotoxic CD8⁺ T cells in the tumor microenvironment (TME), but the identity of their CD4⁺ T-cell partners remains unclear. H...
29/05/2026
【論文掲載のお知らせ】
呼吸器内科 助教の石田です。
臨床論文 "Initial Biomarker Testing Strategies and Clinical Outcomes in Advanced Non-Small Cell Lung Cancer"
が iScience に掲載されましたのでご報告申し上げます。
Initial biomarker testing strategies and clinical outcomes in advanced non-small cell lung cancer. iScience. 2026 May 15;29(6):115966. doi: 10.1016/j.isci.2026.115966.
本研究は、藤田医科大学、兵庫医科大学、長崎大学、福知山市民病院、京都第二赤十字病院、大阪府済生会吹田病院、京都第一赤十字病院、淡海医療センター、大津市民病院、宇治徳洲会病院、松下記念病院、京都府立医科大学による多施設共同後ろ向き観察研究として実施しました。
進行非小細胞肺癌において、主流となっているマルチプレックス検査と従来のシングルプレックス検査を比較し、検査間の差異がドライバー遺伝子異常の検出率や、標的治療への到達率などに与える影響について検討しました。
その結果、マルチプレックス検査はより多くの遺伝子異常を一度に評価できる一方で、シングルプレックス検査と比較してEGFR遺伝子変異の検出率に差異を認め、EGFR-TKIの導入機会に影響を及ぼす可能性が示唆されました。
EGFR変異頻度の高いアジア人集団において、検査感度の違いが治療機会や予後に影響する可能性を示した点が本研究の重要なメッセージとなります。
本研究は2024年7月から投稿を開始しましたが、editorial rejectionが続き、決して平坦な道のりではありませんでした。
査読対応も非常に厳しく何度も解析や考察を見直し、共同研究者の先生方にも多大なるご協力をいただきながら、ようやく論文として公表することができました。
本研究にご協力いただいたすべての共同研究者の先生方、そして終始ご指導いただきました山田忠明先生に心より感謝申し上げます。
今後も肺癌領域の発展に貢献できるよう引き続き取り組んでまいります。
27/05/2026
【 申込〆切まであと3日!: 第11回 呼吸器内科アドバンスセミナー 】
明日からの呼吸器診療スキルが、大きく変わる1日です!
日常診療のTipsだけでなく、学会発表のテクニック、3年目からの専攻医生活のコツも教えます。
渾身のレクチャー資料も、 演者の先生達が鋭意作成中です!
■ 日時:2026年6月13日(土)10:00〜
■ 会場:キャンパスプラザ京都(京都駅から徒歩5分)
■ 対象:研修医〜若手医師(途中参加・私服でOKです)
呼吸器ってどんな分野?
日々の診療力を高めたい
将来の選択肢として気になっている
どんな動機でも大歓迎!ぜひ同期や仲間を誘ってご参加ください。
申込:チラシのQRコードまたはメール(河内:[email protected])より
〆切:2026年5月29日(金)
皆さんのご参加、お待ちしています!
21/05/2026
【論文掲載のご報告】
大学院生の合田志穂です。
この度、研究論文“Baseline neutrophil-to-lymphocyte ratio predicts survival time after the initiation of nintedanib in patients with interstitial lung disease”がBMC Pulmonary Medicine誌に掲載されましたのでご報告致します。
BMC Pulm Med. 2026 May 19. doi: 10.1186/s12890-026-04347-3. Epub ahead of print. PMID: 42151931.
本論文は2025年12月の報告に続き、当科における間質性肺疾患研究の第2報目となります。本研究は、国内15施設においてnintedanibの投与を受けた間質性肺疾患患者406人を対象に、nintedanib導入時の好中球リンパ球比(NLR)とnintedanib導入後の予後の関連を後方視的に検討したものです。
NLR値はnintedanib導入後のFVC低下や急性増悪発症率との関連は認められませんでしたが、間質性肺疾患患者、特に特発性肺線維症の患者においては、ベースラインのNLR高値がnintedanib導入後の生存期間短縮と関連していることが示されました。この結果から特発性肺線維症とその他の間質性肺疾患において炎症メカニズムの違いがあることが示唆され、予後予測や今後の治療法の検討、選択に寄与すると考えております。
髙山教授、山田准教授をはじめご指導いただきました多くの先生方、ならびに多大なご支援・ご協力を賜りました共同研究機関の先生方に、この場をお借りして深く感謝申し上げます。今後、非がん領域の研究もさらに発展させ、新たな知見を発信できるよう、引き続き研究に励んでまいります。
16/05/2026
助教の石田です。
以前に公表いたしました
臨床論文 “Nationwide data from comprehensive genomic profiling assays for detecting driver oncogenes in non-small cell lung cancer”
が、Cancer Science誌において “Top Viewed Article 2025” に選出されましたのでご報告申し上げます。
本研究は、がんゲノム情報管理センターが公表するがんゲノムプロファイリング検査のデータを用いて、非小細胞肺癌におけるドライバー遺伝子異常検出の臨床的意義を報告したものになります。
また本論文は、肺癌診療ガイドライン2025年版のCQ28「肺癌診療において包括的がんゲノムプロファイリング(CGP)検査は有用か?」の項目でも引用頂きました。
本研究が、多くの方に読んでいただき、さらに診療ガイドラインにも反映されたことを大変光栄に思います。
共同研究者の先生方、そして本研究に関わって頂きましたすべての皆様に心より感謝申し上げます。
論文はこちら:
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/cas.16130
07/05/2026
【第11回 呼吸器内科アドバンスセミナー 申込〆切迫る!】
日々の診療の気になる疑問を、1日で全て解決します。
明日から使える知識と、学会発表や呼吸器内科専攻医ライフが学べる充実プログラムです。
今年は初の試みとしてハンズオンセミナーを実施します。
呼吸器疾患のモデルや、イザという時に使いたい呼吸器デバイスに触れながら、手取り足取り教えます。
■ 日時:2026年6月13日(土)10:00〜
■ 会場:キャンパスプラザ京都(京都駅から徒歩5分)
■ 対象:研修医〜若手医師(途中参加・私服でOKです)
呼吸器ってどんな分野?
日々の診療力を高めたい
将来の選択肢として気になっている
どんな動機でも大歓迎!ぜひ同期や仲間を誘ってご参加ください。
申込:チラシのQRコードまたはメール(河内:[email protected])より
〆切:2026年5月29日(金)
皆さんのご参加、お待ちしています!
05/05/2026
【論文掲載のご報告】
大学院生の中谷悠です。
この度、研究論文「Cancer Cachexia Predicts Benefit of Immunotherapy Plus Chemotherapy in EGFR-mutant NSCLC After TKI Resistance」がAnticancer Research誌に掲載されました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42049337/
本研究は癌悪液質がICI/ChemoとChemo両群の治療効果に与える影響について検討したものになります。
結果としましては、全体としてICI/Chemo群とChemo群で治療効果に差は見られなかったものの、癌悪液質群においてはICI/Chemo群がChemo群に対して有意にOSの延長を認めました。以上から、癌悪液質群においてはICIの上乗せ効果を得られる可能性があり、癌悪液質が治療を選択する上でのバイオマーカーとなり得ると考え、論文にまとめております。
本研究においてご指導を賜りました河内勇人先生、山田忠明先生、髙山浩一先生、ならびに共同研究者の先生方に心より感謝申し上げます。
今後も精進して参りますので、引き続きご指導のほどよろしくお願いいたします。
27/04/2026
【新入局員のお知らせ】4月時点で3名の先生方に入局いただきました.引き続き、呼吸器診療に興味のある先生方の入局をお待ちしております.