07/10/2021
【坤為地の用六に教わる大地の在り方】
周易の始まりの二卦、天地創造を表す「乾為天(けんいてん) 」と「坤為地(こんいち)」。
この二卦にだけ、六爻の爻辞の後に、七番目の言葉、「用九(ようきゅう)」と「用六(ようりく)」が飾られています。
用九・・陽(九)の力の用(もち)い方
用六・・陰(六)の力の用い方
すべての卦は、天を司る純陽の「乾」、地を司る純陰の「坤」、この二卦の六爻の感応から生まれたものであるから、残り六十二卦の陽爻陰爻の読み解きに、この用九と用六の意味を用いて考えなさいと、易経は伝えているのです。
坤為地 用六
「永く貞なるに利(よ)ろし。象に曰く、用六の永貞は、以(もっ)て終わりを大にするなり。」
「永貞」とは、いつまでも安定して惑わないこと。
「終わりを大にする(大終)」とは、最後を偉大に全うすること。
陽の力の発揮、つまり「動く」ためには、大地という土台が必要です。
人は歩くときに大地を蹴って動き、車は大地を土台にして車輪を回します。
「陰」の力の下支えが無ければ、「陽」はその力を発揮し得ないのです。
十翼「文言伝」には、「貞は事の幹(かん)たり」という言葉が見え、「貞」の意味を「幹(みき)」=「揺るがない軸」と捉えていることがわかります。
「在り方」が整っていなければ、その人は、思考や動きに軸がなく、時流にいつも右往左往と翻弄されてしまうでしょう。
そして、「在り方」の「在」の字に、大地を表す「土」が見えます。
「存在」「顕在」「現在」というように、大地という土台がなければ、そもそも「あらわれ」はないのだということが、その字義を見てもわかります。
立ち上がった卦の陰爻の持つ意味に、在り方と軸を考えてみる。
そうすれば、自ずと、今自分がどう振る舞うべきかがわかります。
「坤為地」六五
「黄裳、元吉。象に曰く、黄裳元吉とは、文、中に在るなり。」
「黄裳」・・黄色は大地の色、裳は下部に着る衣服のことで、大地の徳を立派に備えた君子の比喩。
「元吉」・・大いに素晴らしいこと。
「文」・・模様が整っている様から、温和で品格があることの比喩。
「中に在る」・・在り方にブレがないこと。
"終わりを大にするために、今は自らを振り返り、その「在り方」を整えよ。"
「用六」は、常に「どうするか?」ではなく、「どうあるか?」と、自らに問うことを教えるのです。
「どうするか」は、「どうあるか」の土台の上にあって初めて、その意味を為すのですから。
それが、坤為地の用六が僕に教えてくれた、陰爻(六)に中った時の、「力の用い方」なのです。
※ブログより転載
http://blog.livedoor.jp/k_toshi444/