飲食店経営セミナー

飲食店経営セミナー 飲食店経営セミナー, 学校, 小比内三丁目18- 1, Hirosaki-shiの連絡先情報、マップ、方向、お問い合わせフォーム、営業時間、サービス、評価、写真、動画、お知らせ。

飲食店経営セミナーではまずは自分で考え、問題点を見つけ、問題解決を図る手法を取り入れています。企業繁栄はコンサルタントに頼るのではなく、店主自らが考え、力をつけ、持続させることが大切だからです。講義内容は実践的な内容に重きが置かれています。講義では飲食店だけでなく、すべての業種に当てはまるケースが紹介されます。あらゆる業種、業態に役立つ内容です。
また、当講座を修了した卒業生たちの活躍もお知らせしていきます。


弘前医療福祉大学短期大学部教授 牛田泰正

22/01/2019

「タムラファーム」世界が認める日本のシードル

 きっかけは前職での商談中の一言であった。〝長野のリンゴのほうがおいしい〟と。収穫の時期、熟度の違いが味の違いの要因と考えられるが、この言葉が癇に障り、〝よし、いっちょ自分で日本一おいしいリンゴを作ってみせる〟と思い起業した。タムラファーム代表取締役田村昌司、30歳の時である。いきなり3ヘクタールからのスタートであった。借金をして自分を追い込んだ。田村氏はこれを自然体という。取材中何度か自然体という言葉を口にした。そして次に述べる商品作りにまでこの思いは通じている。
 田村氏が大切にしていることは、リンゴの持つ自然な力を導き出すこと。自社農園では、土作りに力を入れており、肥料は天然ミネラル豊富な自家特製有機質肥料。更に、採光空間を限りなく贅沢にとるなど、リンゴに日光が十分当たるよう、木と木の間隔を広くとって植えている。そして最大のこだわりは、完熟する一歩手前の段階まで収穫しないこと。こうすることで果肉が緻密で糖度の高いリンゴができ、そのこだわりが認められた結果が、数々の受賞に繋がった。シードル分野では、国際コンクールでポムドール賞(最高賞)を2度連続受賞、日本のシードルが初めて世界に認められた。また、紅玉をふんだんに使用したアップルパイは、各メディアで取り上げられ、日経新聞におけるアップルパイランキングでベストテンに選ばれている。まさに自然な力がなした業と言えるだろう。
 さて、この会社の凄いと思われる特徴はリンゴ作りから、加工食品の製造、そして販売まで自社で完結していること。これにはここまで成功に導いた社長の粘り強い性格が一因する。起業3年目の1991年、いわゆる「りんご台風」で、収穫前にほぼ全て落果した。ようやく売れる体制ができた時だった。田村氏はこのとき嘆くことはせず、「ピンチはチャンス!」と思い、いち早く加工品ルートを確保。落ちたリンゴをジュースにして販売した。このことで何とか生計がたてられた。今でこそ生産から加工、販売することを、6次産業というが、実際の話は、必死に生活していくための手段であった。これも自然体ということか。
 アップルパイの話であるが、リンゴの酸味と自然の甘味を味わっていただきたいという思いからシナモンを使わず、着色料も使わず、しっかりした歯ごたえを残し、香りとジューシーな食感を最大限に引き出したという。ここにおいても自然体。素材そのものの味わいを前面に出している。2013年に発売。そして前述のベストテンに選ばれた。取材最後に6次化での成功の秘訣は、と聞くと、「人との出会いを大切にして、築いた信頼、そして消費者を裏切らないこと」取材の最後に社長はきっぱりと結ばれた。
(弘前医療福祉大学短期大学部教授 牛田泰正)

2019/1/20 陸奥新報 日曜随想より

18/04/2018

ロングセラーの秘密」愛と真実(まこと)の商を守る

 以前に紹介した「築地銀だこ」佐瀬守男社長の講演を聞いた某聴講者が、まだ食したことのなかった「銀だこ」をどうしても食べたくなり、主催者が用意した夕食も取らず、幕張から銀座までタクシーを走らせた、と書いたが、実はその人は弘前から参加されたラグノオささき(木村公保代表取締役社長)の前社長であった佐々木周平氏である。ラグノオささきは、明治17年に弘前市百石町に小さな駄菓子屋から始まり、子達が店の前で楽しげに、にぎやかにはしゃぐとても明るい店だったと聞く。
 実は創業者の佐々木繁氏も以前紹介した多くの創業者同様に、商業界主催の「箱根ゼミ」に参加されていた。そこで数々の経営ノウハウ、考え方を学ばれたという。その教えを会社に持ち帰り、社歌にもつづり、経営理念として残している。その一節にはこう書かれている。「愛と真実(まこと)の商売を守る」と。これは商業界の教えである「嘘と隠し事はだめだ」という教え、「損得より先に善意を考えよう」「愛と真実で適正利潤を確保せよ」に通じる。
 繁氏は「箱根ゼミ」で知ったご当地商品「うなぎパイ」の成功に刺激を受け、看板商品である「丸ごとパイ」を青森版として開発した。また繁氏は教育にも熱心に取り組まれた。2代目周平氏はチェーン理論の根幹である「数こそ力なり」を、そして現社長木村氏は商品管理の在り方を学ばれた。周平氏はチェーン理論を実践し、多店舗化を推し進め、多くの業種業態を手掛けたが、バブルがはじけ、多くの店舗の閉店を余儀なくされた。そこで次期社長木村氏は、閉店の悔しさをばねとして、攻めの姿勢を守りの姿勢に変えた。セミナーで学んだ製造管理の教えを生かし、無駄をなくし、品質を落とさず、ラグノオささきの原点である菓子業に専念。そして、それからの躍進が実に目覚ましい。
 初代、先代から培われた先取の精神を引き継ぎ、木村氏は売り場での顧客ニーズを次から次へと開発した。“土産にも持っていける包装されているパイがほしい”と聞けば現場と一緒になって具現化し、結果としてラグノオは「気になるリンゴ」「旅さち」そして「いのち(アップル)」「森のショコラ」「パティシエのりんごスティック」でそれぞれ第24、第25、第26回と続けて全国菓子大博覧会「金賞」を受賞した。また2年前より、全国の有名高級菓子を販売している東京の高級スーパー数社からの要望で共同開発も進んでいる。
 ラグノオささきの原点、そして学びが、まさにここにある。駄菓子屋からショップへ、子達からファミリーへ、単なる生産工場から、リンゴ大国の文化を全国へ発信する生産拠点へと、時代とともに変化しているが、真実(まこと)のあるコンセプトは、けっして揺らぐことなく、変わらない。
         (弘前医療福祉大学短期大学部教授 牛田泰正)

             2018/4/15 陸奥新報 日曜随想より

18/02/2018

笑顔が笑顔を生む」ESが明日の介護を照らす!

 昨年10月、青森県福祉・介護人材確保対策事業の一環として弘前医療福祉大学短期大学部が企画したつがる市での「介護フェスタ」は内容のあるものであった。異なる施設3人の介護士が仕事の辛さはさておいて、仕事を通じて得られた自己成長する喜び、利用者から感謝される喜び、そして何よりも「介護は天職」、という介護士としての誇りと自信に満ちたトークに感動を覚えた。会場は笑顔と喜びの声に溢れていた。
 3Kといわれる労働環境でなぜゆえに彼らは明るいのか?特に印象に残ったのは褥瘡(床ずれ)の話であった。ご家族に綺麗な体でお返ししたい、それはどんなことにも譲れない、と思い周囲に決意表明してチャレンジした話であった。自分がそのことにこだわり懸命に取り組むと周囲の仲間も理解して気にかけてくれて、その結果、ご家族に感謝されるケアができた、という内容であった。家族がきれいな体を見て喜ぶ姿に自分自身が感動したという。自分の思いが達成された瞬間に充実感を覚えたという。
 平成26年度の「介護労働実態調査」によれば、介護職の離職理由の上位は以下の通り。(1)職場の人間関係(2)法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満(3)他に良い仕事・職場があった。そして「収入が少なかったため」という理由は4位であった。何よりも注目してほしいのは、法人の理念や運営への不満が2位に入っていること。また、1位の人間関係も多くはこのことに起因していると思われる。昨年、弘前の某介護施設を辞めた元幹部職員によると、処遇改善加算金が施設の内情で満額社員にいっていないところもあるという。
 さて、昨年倒産した介護事業者は過去最多のペースで増えていることが分かった。倒産の主な原因では、「経営不振」が56件と半数以上を占めたほか、事業の失敗などの「放漫経営」が22件などとなっていたという。効率、利益中心の運営に力を入れると、トップダウンでの指示系統になりがちになる。介護は自立支援が目的であり介護する者には、その場で臨機応変に利用者に寄り添い、利用者の立場に立った判断が求められる。
 前述の事例のように介護する者が主体的に、仕事に取り組めば、もともと人のために尽くしたいという熱き思いを持って、介護という仕事に取り組んでいる介護職員が多いわけであるから、自然と笑顔になれる。介護する者が笑顔になれば介護されるものも笑顔になる。
 日本ではようやくES(従業員満足)を高めることが利益向上につながるということが理解されてきた。いかにESを取り入れるのか、人材不足の解消にヒントがここにある。そしてまた一方で政府には給与の更なる是正化を期待したい。
(弘前医療福祉大学短期大学部教授 牛田泰正)
                
           2018/2/18 陸奥新報 日曜随想より

21/01/2018

「赤字経営から脱出!」メニューエンジニアリング

 弘前市土手町にある芝田商店の元気がいい。女性経営者相馬映江氏は平成27年の1月、独自のメニューを開発し、メニューブックの内容も大幅に替え新規オープンした。結果、10月現在、前年対比30%アップで推移している。
 相馬氏は15年前に離婚。娘一人を育ててきた。給料を多くするため働く時間を増やしたが、娘との時間が少なくなり、いい条件の仕事を求め多くの職種を転々とした。そして娘が大学進学を希望したことで独立を決意した。経営は未経験。周囲の支援でまずはFCに加盟してからと同地に店を構え、平成26年12月売り上げが伸び悩むFCを離れ、自分の店として運営を始めている。
 相馬氏のメニュー改善で最も効果を発揮しているのがメニューエンジニアリングの考え方である。弘前医療福祉大学短期大学部が開催している飲食店経営セミナーで学んだ手法であるが、飲食店のみならず全ての販売業に通じる手法でありこの欄で紹介したい。
 それはミシガン州大学カサバナ教授がマトリクスの考え方を使い開発したもの。商品の人気度、粗利益を分析することにより、価格設定、メニューデザイン、メニュー商品を決定しようとするものである。それぞれが次の四つのカテゴリーに分けられる。
 スター―人気が高く粗利益も高い
農耕馬―人気は高いが利益率は低い。
問題児―人気は低いが粗利益は高い。
負け犬―人気がなく、利益率も低い。
 スターは人気が高くさらに粗利も高くて儲かる商品で、メニューブックの中で特に目につきやすいところに置く。農耕馬はその店の目玉商品。比較的人気が高いのは間違いないが、粗利益が充分出ていないので収益性の高い商品とセットで売ったらいい。問題児は、人気があまりない。それゆえメニューブック内での配置換え、ネーミングの変更、POP戦略やサービス販促が勧められる。個数が出て人気が高くなれば、あっという間にスターメニューになる。最後の負け犬は赤字商品。人気もなく粗利も低いので、できればメニューから削除したほうがいい。ただ農耕馬に近い商品もあるので値上げなどで収益性を高めるべきである、という経営手法である。
 相馬氏は今の心境をこう述べる。「セミナー受講前は先が見えず不安でした。しかし受講後は、客が増え自信がついてきました」と。この自信はアルバイトの学生への指導にも影響する。当初はバイト生に遠慮しはっきり指導できず反発を買ったが、今では娘と同じ世代の学生へ、将来に向かいしっかりしてほしい、と思う気持ちが強まり、指導できるようになったという。
 実は弘前の多くの飲食店は同様な経営の課題を持っている。問題はそのことに気づいていないことである。
(弘前医療福祉大学短期大学部教授 牛田泰正)

           2015/10/18 陸奥新報 日曜随想より

11/01/2018

「養豚に労力惜しまず」長谷川式こだわりの自然牧場

 津軽ではあくまで素材主義を徹底してほしい、都会の真似をしないでいてほしい、素材主義こそが地方の生き方だ、と日曜随想で何度か述べてきた。今回はその実践が功を奏している実例を紹介する。それは世界随一の名声を誇るホテルリッツカールトン大阪、ホテルシャングリラ、大阪の高級イタリアレストラン、ポンテベッキョ、そして横浜中華街老舗の聘珍楼などの有名店からもイベント用の食材として引き合いが絶えない長谷川牧場(長谷川光司社長・鯵ケ沢)である。
 以前の「戸田のお餅」同様に素材にこだわり、豚の餌作りは自家配合で薬剤は一切使わないという。化学肥料を使えば1、2時間で済む作業を1日かけて飼料を作る。長谷川氏はできる限り安全なものを提供したいと心がけ、一般的な濃厚飼料を使わず、山の腐葉土、残飯や野菜などを発酵させて飼料を作り、通常よりも長く、じっくりと日数をかけ育てている。結果、長谷川牧場の豚には脂に甘味が残り、昔懐かしい味がする。
 長谷川氏によると、これはオレイン酸が多いためとのこと。融点が高いので体温でもとける。そのため体に残らず、筋肉が衰えるお年寄りにはもってこいの栄養素となるのである。長谷川氏も、以前紹介した多くの創業者同様に、商業界主催の「箱根ゼミ」に参加されてきた。そこで数々の経営ノウハウ、考え方を学ばれたという。それはモノを売るのではなく心を売り、心を通じて「お客様に満足を売る」、という考え方であった。
 いわゆるチェーン理論の根幹をなす標準化、画一化、大量仕入れ大量販売により、他店を圧倒する値付けをする考え方とは一線を引く。長谷川氏は多くのすぐれた経営者と出会い、そして彼らの経営哲学に接し、またその仕事に対する姿勢や高い志に感銘を受けてきた。
 大量生産手法で飼育される豚は通常一頭の価格が4万円。それを「箱根ゼミ」では一頭30万円の豚を目指せというのである。そのため長谷川氏は一頭一頭に愛情をこめ、名前を付け、手を抜かず、飼料にこだわり厳選し、素材のおいしさを最大限に引き出すことに専念。30万円を目指した価値ある豚肉であるが、価格は市場のリーズナブル価格に抑えた。そして、その結果として有名店からの引き合いが絶えないのである。
 自身の農薬中毒がきっかけとなり、農薬の恐ろしさ・食の安全性に気付き自らの牧場を開設。効率のみを優先する生産者が多い中、長谷川牧場では昔ながらの自然な飼育法で時間をかけながらじっくりと育てている鶏は放し飼いで豚の餌作りは自家配合で、愛情をこめ育てている。自然の恵みを存分に与え、そして人々に喜ばれる豚を育てること。このことに長谷川氏が労力を惜しむことはない。
(弘前医療福祉大学短期大学部教授 牛田泰正)
            
             2017/8/27 陸奥新報 日曜随想より

05/10/2017

「顧客はいつも正しい」ローマは1日にしてならず

 私は35年間、フードビジネスを中心としたサービスビジネスに従事してきた。それゆえサービス経営には日ごろから思うことが多い。このいただいた紙面にて今回も経営に成功され、私が接してきたトップリーダーからの学びを紹介させていただく。
 ロイヤルパークホテル(東京・箱崎)は国際的な調査会社J・D・Powerが行ったアジア地区における顧客満足度調査(ホテル部門)で本年度も1位に選ばれた。5年連続の快挙である。これは当ホテルが重視する顧客目線にたった密なるお客様・従業員とのコミュニケーション、手間暇を惜しまないサービスの提供の成果であるといえるだろう。平成12年より同23年まで当ホテルの総支配人を務められた中村裕氏は、今は顧問の立場であるが、この結果を素直に喜び受けとめる。戦後日本に初めて上陸した外資系ホテルである東京ヒルトンホテル。中村氏は新卒で入社し、アジア人初めての総支配人となった。数多いライバルの中、明治大学英語部のディベートで鍛えた語学力がものを言った。英語部とはいえ体育会顔負けの真剣勝負の世界があった。競技はすべてが英語である。その準備が大変緻密な作業になる。中村氏はそこで最後まであきらめない根性と人間関係を学んだという。昼は国会図書館に通い、そして夜は合宿所での夜食の買出しに走った。すべてが学びでありその経験がヒルトンで生かされた。中村氏が仕事をする上で、常に心がけていることはなにか、それは座右の銘としているヒルトンホテル創業者ヒルトン氏の言葉、ゲスト・イズ・オールウーズ・ライト(お客様はいつも正しい)である。それゆえに現場を大切にした。待っているだけではお客様の声は聞こえない。現場の生の声を聞かなければニーズを掴むことはできないからだ。特にお客様からのクレイムはニーズを知る宝の宝庫であった。
 その一例が枕の話。よくホテルの枕は柔らかいから寝つきが悪いという人がいるが、そば殻枕に変えてほしいという苦情の手紙が来た時の話である。お礼状に謝辞に添えてすぐに取り寄せた旨を書いて返信した。するとどうだろう。予想通りその数週間後に苦情を送られた本人が姿を見せられた。人は苦情や注意をした後、本当にそうしてくれたかが気になり、確かめたくなるものなのだ。これらは中村氏が50年ものホテル経験で学んだノウハウだ。その成果が今回の栄光に繋がったといえるだろう。手間暇を惜しまないサービスの提供、現場重視、これらをわかりきっているというのはたやすい。問題は当たり前のことをやり通す持続力にかかっている。顧客満足度調査において5年連続の名誉ある栄光は「一日にしてならず」だからである。
(弘前医療福祉大学短期大学部教授 牛田泰正)
            2012/6/17 陸奥新報 日曜随想より

09/06/2017

「素材のうまさで勝負」じょっぱりを売る戸田のお餅

 津軽は、周りを山々に囲まれ、それらの山々からミネラル分などを多く含んだ豊かな水が流れ込む。朝晩の寒暖の差が激しいため米作りに適している。それゆえにいいお餅がつくられる。
 弘前市銅屋町に店を構える「戸田うちわ餅店」(戸田しのぶ社長)は昔から弘前市民に、子供から年配まで幅広く愛されてきた。1日200個限定。舟形の紙の入れ物に入れられているうちわ餅は、午前中にはなくなる。その人気の理由を戸田氏は昔ながらの手作りにこだわってきたからではないかという。お餅は、米の下準備から串に刺すまで時間をかけ、形にしておく。黒ゴマは滑らかで濃厚な高級国産品を使用する。その蜜入りの胡麻ダレが秘伝のたれであり、作りたての柔らかなお餅と胡麻ダレがからまり、それゆえに「うちわ餅」はとても美味しい。餅そのものに一切の添加物を入れてない。だからその日のうちに食べないと固くなる。それが反面、まじめに作っている証拠でもある。次の日になると餅が固くなってしまうので、作りおきができない。売り切れたらそこで店じまいというお店ゆえに、朝早くに行かないと買うことができない。そして噂が噂を呼び行列が絶えることがないのである。
 噂を聞き、俳優の梅沢冨美男が取材にくることになった。RAB特別番組「北海道新幹線開業記念 青函圏周遊☆4都市物語(函館・青森・弘前・八戸)」の中で梅沢冨美男が土地の名物料理を食べ歩くという番組である。弘前では三忠食堂の後に来る予定であった「戸田のお餅」はすべてのお客に並んで購入していただいている。どうしたものかと気を病んでいたが、事前の打ち合わせでプロデューサーが「うちのスタッフを並ばせて買わせます。特別な配慮は求めません」との快諾を得たという。「戸田のお餅」には、冠を得たテレビ番組も並んでまで取材したいと思わせる魅力がある。残念なことにその日、1台しかない製造機械が故障となり取材は急きょ取りやめとなった。
 弘前はローカルに徹してほしい。「戸田のお餅」のあり方は弘前の進むべき方向を示唆している。あくまでナチュラルであること。都会の真似をしないこと。そして「じょっぱり」であること。これが弘前のうりであり、地方の生き方だ。素材にこだわる本物主義は素材のおいしさを出せるからおいしい。以前、日曜随想で紹介したが「料理の良し悪しは80%が食材で決まる」とまで言われている。例えば物産展は、お客が本物を求めて買いに行くが添加物で作ったいい加減なものがある。本物を作りウエブで全国へ郵送できればいい。納品は何日でというシステムを作ればいいのだ。本物主義のこだわりがきっと「まちおこし」の鍵になると思われる。
(弘前医療福祉大学短期大学部教授 牛田泰正)

             2017/6/4 陸奥新報 日曜随想より 

29/05/2017

飲食店経営セミナーでは第八回セミナー受講者を募集しています。
   

感謝貢献 「人に喜ばれてこそ!発展」

 外食産業黎明期、成功された創業者の多くは疾風怒涛の人生をかいくぐり今の成功を勝ち得てきた。それゆえに、語る人生には奥が深いものがある。(株)グリーンハウス(給食・レストラン事業「さぼてん」他)を創業された田沼文蔵氏もその一人である。
 田沼氏は太平洋戦争敗戦時、南方戦地で小部隊の隊長として指揮を執った。多くの部下を死なせた責任を感じて自決しようとしたおり、白煙がこもるジャングルの中で「神の声」をきいたという。「命を大切にしなさい、部下を無事に復員させることが貴方の本当の任務です」と。実際は武装解除のため現地に来ていた中国国民党最高幹部の将軍の言葉であったが、田沼氏は本当に神様が語りかけてくれたと思っていると生前よく話された。
 「多くの兵士が目の前で命を落としていく。なぜ自分だけがまだ生きているのか、生かされているのか、そんなことを考えたときの神の言葉であった」と。この言葉で、生きて帰って国のために尽くそうと決心したと聞く。
 田沼氏のその思いは1947年、慶應義塾大学の大学予科食堂を経営(川崎市登戸)することからスタートした。「若い学生のために食糧を確保したい」そうした思いから食堂経営を開始した。今でこそ売上1131億円。従業員数2万5千人の大会社であるが創業期は苦難と涙の連続であったという。2000年、田沼氏は心不全のため、4月に永眠。葬儀は東京・新宿太宗寺で執り行われた。
 そこでの話である。遺影への祈りの後参列者は葬儀場の別室に案内され、用意されたお清めの席に立ち寄っていく。私が案内され座敷に上がり、注がれたビールを口にしたとき、近くに座っていた高齢の女性が切り出した。
 「私が辞める時、本社に挨拶に行ったのさ。そしたら文蔵さん、会議中なのに、ちょっとだけといって出てきてくれた。そして『良ちゃんには本当に苦労かけたな』といって『田舎の母さんに土産買っていけ』とお金くれたのさ。いつも近くにきて声かけてくれたけど、あの時本当にいい会社で仕事ができてよかったと思った」と。
 それからである。次から次へと思い出やエピソードが続き、会場はどのテーブルも涙、涙の雨に包まれた。
 田沼氏は企業に働く多くの人たち、企業を支えてくれている多くの人たちに常に気配りされてきた。どの職場も「家族」のようになったと聞く。
 田沼氏の経営の原点は「感謝貢献」の精神、そして社是、「人に喜ばれてこそ会社は発展する」は会社の経営理念である。
 家族の絆が今求められている。契約優先のドライな社会に、経営成功のヒントがそこにあると思えてならない。
(弘前医療福祉大学短期大学部教授 牛田泰正)

               陸奥新報「日曜随想」より

http://www.mutusinpou.co.jp/index.php

津軽に根ざした情報をお伝えします!

飲食店経営セミナーのご案内 売上低迷の原因はなにかそれは景気の後退だけではありません。お客様の嗜好の変化も大きな要因の一つと考えられています。また競争激化な中で、各社がホームページを立ち上げPRに力を入れてきています。海外旅行やグルメツアー...
19/04/2017

飲食店経営セミナーのご案内

 売上低迷の原因はなにか
それは景気の後退だけではありません。お客様の嗜好の変化も大きな要因の一つと考えられています。また競争激化な中で、各社がホームページを立ち上げPRに力を入れてきています。海外旅行やグルメツアーで舌が肥えて、今までのきまりきったサービスでは満足されません。どこでも同じ店舗、同じサービス、同じ味では外食慣れした顧客に満足していただくことが難しくなってきています。思いつきのメニューの変更やイベントの開催では店舗の活性化に結び付きません。
抜本的な意識の変革が求められています!

 当講座はまずは自分で考え、問題点を見つけ、問題解決を図る手法を取り入れています。企業繁栄はコンサルタントに頼るのではなく、店主自らが考え、力をつけ、持続させることが大切だからです。講義内容は実践的な内容に重きが置かれています。講義では飲食店だけでなく、すべての業種に当てはまるケースが紹介されます。あらゆる業種、業態に役立つ内容です。多数ご参加くださるようお待ちしております。

        弘前医療福祉大学短期大学部教授 牛田泰正

住所

小比内三丁目18- 1
Hirosaki-shi, Aomori
036‐8102

電話番号

+81172271001

ウェブサイト

アラート

飲食店経営セミナーがニュースとプロモを投稿した時に最初に知って当社にメールを送信する最初の人になりましょう。あなたのメールアドレスはその他の目的には使用されず、いつでもサブスクリプションを解除することができます。

ショートカット

共有する

カテゴリー