29/06/2019
【中高生夢チャレンジ大学2018実施報告12】
<夢チャレンジ大学の7年間について②>
3.プログラムの効果は「エビデンスに基づき科学的に」検証した。
夢チャレンジ大学が中高生へのアンケートを統計的に解析し明らかにしたのは、「自らの創造性に気づき、自分には創造性がある」と認識する度合いが高くなると、「自分の未来の可能性を信じる」「自分の未来がイメージできる」「自分の人生は自分で創る」と強く思える雇用になることです。この「自分は創造的だと認識するほど、自己を肯定する意識が高まる」傾向は、夢チャレンジ大学のプログラムを通して、一貫してエビデンスに基づく分析で証明されました。
プログラムの効果の検証は毎年実施し、次年度のプログラム開発に活かしてきました。例えば、次世代のリーダーシップとは、「自分らしく自分に忠実であること」が基軸となるリーダーシップです。これは、欧米のビジネススクールで教わる「世界先端のリーダーシップ論、オーセンティック・リーダーシップ」とほぼ重なります。イノベーションを生み出すのは権限に寄らないリーダーシップです。だから、根幹の部分で自己肯定感と結びついていなければなりません。
自己を否定するところに次世代のリーダーシップは生まれません。なぜならば、自己否定は自己以外への依存を強化し、次世代のリーダーシップ理解を遠ざけるからです。このように考えて、4年目に次世代のリーダーシッププログラムを開発し、実際に自己肯定感につながるかを検証し、それが検証されたことを確認した上で、次年に向けたプログラム開発に取り組みました。この繰り返しがこの7年間の夢チャレンジ大学の歩みであり、未来に向けた遺産として残せたことを誇りに思っています。
(※1枚目の写真をご参照ください)
4.終わりに―学びのアップデートを毎年心掛け、チャレンジした7年間でした。
人間が一番学ぶのは幼児の頃です。幼児は遊びを通して、言葉や知識、他者との関係性などを学んでいきます。だから、「学ぶ能力」が強く求められる今、Playful Leaningが学術用語となり、注目を集めているのです。いまや、Playful Leaningは世界標準の教育プログラムの必要条件です。やがて福岡の中高生が世界中に友人や知人をつくる時代がきっと来ます。その時、夢チャレンジ大学で「世界標準の教育プログラムを学んだ」ことに中高生は気づくでしょう。そういう中高生の未来を想定し、世界標準の教育プログラムの十分条件である「形にする」も踏まえながら、夢チャレンジ大学は「学び」のアップデートに注力してきました。
(※2枚目の写真をご参照ください)
学びのアップデートの障害になるのは、「創造性やリーダーシップは一握りの優秀な人間しか発揮できないもの」といった固定観念、先入観です。同じように、理系文系で進路選択を考える思考も取り去るべき固定観念、先入観の最たるものでしょうか。
すでに指摘したように、次代を担う中高生が獲得すべきは、与えられた問題を解く能力よりも、何が問題かを発見し設定する問題発見―課題設定力です。なぜなら、問題を解く能力は人間よりもAI(人工知能)に任せた方が効率的、有益な分野が広がっており、与えられた問題を解く仕事はAIにとってかわられていく未来が予測されているからです。
理系、文系に分けて学ぶべきものを区別するなんてナンセンスです。理系文系を問わない総合力が問題発見―課題設定においては求められるからです。特に重要なのは科学に対する関心です。夢チャレンジ大学に参加した中高生の7割は「科学的なことに関心がある」と言っています。理系、文系をわける基準となることが多い「数学が得意か苦手化」はSTEAM的な学びや理解とも関係しません。こどもは時代の申し子です。時代が求めるところに導かれ、科学やSTEAMに関心を持とうとしているのです。古臭い基準で、「科学やSTEAM」を中高生から遠ざけてはいけない・理系、文系で進路選択を考える思考がバイアス(偏見)であることも夢チャレンジ大学は明らかにしました。
(※3枚目の写真をご参照ください)
いわば、夢チャレンジ大学そのものがイノベーションを体現しようとしたのです。この7年間の経験をもとに、私たちは、それぞれの分野で時代の変化、台頭する科学技術を見越した教育プログラムの拡充、開発に今後とも取り組んでいきます。