20260301 子どもの「粘り強さ」は親次第?
子どもが何かに挑戦している時、少し上手くいかないだけで「もうやだ」「どうせ無理」とすぐに投げ出してしまうことはないでしょうか?
「うちの子は諦めが早くて・・・」と悩む親は多いですが、実は「諦めの早い子」と「粘り強く取り組める子」の差は、生まれつきの性格というより、これまでの「経験の差」にあると感じています。
極端に言えば、それは「答えを与えられて覚えている子」と「自分で試行錯誤してきた子」の違いです。
大人はつい、子どもが困っていると先回りして「こうやればいいよ」「答えはコレ」と最短ルートを教えたくなります。確かにその場はすぐに解決するし、知識として覚えることはできます。
しかし、常に「正解」を与えられ続けてきた子は、目の前の問題に対して「知っているか、知らないか」の2択でしか向き合えなくなっていきます。
そのため、自分の知識にない問題や、少し応用が必要な場面に直面した瞬間、あっという間に「分からない」「出来ない」「知らない」に行き着き、思考がストップしてしまうのです。
一方で、これまでに色々と自分で試行錯誤してきた子たちはどうでしょう。彼らは、すぐに答えが出なくても簡単には投げ出しません。彼らの中には「一つ目がダメなら二つ目、それがダメなら三つ目」と、やり方の引き出し(試してみたいこと)がたくさんあるのです。
試行錯誤を経験してきた子は、失敗を「出来ない」ではなく「この方法は違ったという発見」として捉え、「他にやりようはないか?」と別の引き出しを探り始めるのです。この「次の一手を考える力」こそが、粘り強さの正体だと考えています。思考停止しないのです。
では、その「引き出し」はどうやって作られるのか。分かりやすいのがブロック遊びです。
子どもはブロックの「向きを回して変える」ことはできても、「裏表をひっくり返す」ということに気づくまでには、頭の中で大きな飛躍が必要になります。ここで親が「こうやってひっくり返すんだよ」と手を出せば一瞬ですが、それでは子どもは「言われた通りにやっただけ」で終わり、引き出しは増えていきません。
大切なのは、たまたまブロックを下に置いた拍子にコロンとひっくり返り、偶然ひっくり返り、次に手に持ったとき、ピタッとハマるような瞬間です。
その時、子どもは「あれ? なんで今ハマったんだろう?」と考えます。この「偶然の成功」から「なぜ?」と考えるタイミングこそが、新しい引き出しが作られる決定的な瞬間だと言えます。
結局のところ、子どもの引き出しが増えるかどうかは、親が手を出さずに「自分で気づけるまで待ってやれるか」にかかっているのです。
あれこれといじっているうちに、たまたま上手くいく。そして「なぜ?」と考える。その瞬間に、すかさずこう声をかけてやりたいですね。
「よく、それに気づけたね」
うまくできた結果ではなく、「自分で気づけたこと」を認めるこの言葉が、子どもにとって「自分で工夫したら道が開けた」という強烈な成功体験になるのです。親がグッとこらえて待つ時間が、子どもの新しい引き出しを育てているのです。
「すぐに正解にたどり着くこと」よりも、「迷い、間違え、遠回りしながらも自分なりの答えを探すこと」。これが、これからを生きる子どもたちにとって何よりの財産になるはずです。
子どもが「うーん、どうしよう」と悩んでいる時間は、頭の中に新しい引き出しを作っている最中だ。まさにいま賢くなっているのだ、と焦らず、急かさず、その時間をじっくりと見守っていきたいですね。
トゥモローキッズスクール
小学校1・2年生のための江戸川区の民間学童。週2日英語のレッスン有。思考力とチャレンジ精神を育みます。夏休み限定プラン有。駅 徒歩30秒。
20260223 遊びの中で育つ「一瞬の判断力」と「折れない心」
最近、一人の男の子の大きな成長を感じる場面がありました。
以前は「年下の子に指示を出してごらん」と伝えても、つい自分一人で抱え込んで失敗してしまっていた子でした。それが最近では、遊具を挟んで相手と対峙している最中に、相手の動きを見ながら「次はどう動くべきか…」と、必死に作戦を練っている様子が伝わってくるようになったのです。実際、年下の子たちへの指示も伝える場面が増えています。
実はトゥモローでは、あえて「普通の鬼ごっこ」はしていません。 鬼ごっこをやるときは「氷鬼」がメインです。なぜ、普通の鬼ごっこではないのか? それは、「学年を超えた交流」を大切にしたいからです。
足の速い・遅いだけで終わるのではなく、1年生の失敗を上級生がさりげなくフォローする。1年生が勇気を出して、捕まった上級生を助けに行く。
そこで交わされる「ありがとう!」という言葉は、子どもたちにとって何よりの自信になります。
「自分が捕まってでも、足の速いお兄ちゃんを助けるべきか?」 そんな一瞬の判断の積み重ねが、社会で生きる力に繋がります。
鬼側の立場で言えば、たとえ失敗して全員に逃げられても、またゼロから挑戦すればいい。 遊びを通じて、失敗しても立ち直る力――「レジリエンス」を、これからも楽しみながら育んでいきたいと思っています。
20260219 「あえて言わない」という子どもを信じる力。
子どもが一生懸命、音読をしているとき。ひらがなを読み間違えているのに気づいても、あえて指摘せずに「自分で気づくかな?」とじっと待ってみる。「教えたほうが早い」という気持ちを抑えて、「この子なら自分で気づけるはず」と信じて見守る時間は、大人にとっても静かな挑戦です。
先週、ある子が「あっ!」と自力で間違いに気づけた瞬間がありました。それは単に正しく読めたこと以上に、子どもにとって大きな「成功体験」になります。
注意深く読んで間違いに気付いてほしいとも思いますが、まずは「たまたま気づけた!」という喜びを積み重ねることも大切です。ちょっと大げさですが、「自分も出来る」という自信になるのです。人から注意されて直すのは「受動的」ですが、自分で気づくのは「能動的」な発見です。この「自分でコントロールできた」という感覚が、学びの楽しさに繋がります。
大人が急かさず待ってあげることで、子どもは失敗を恐れずに自分のペースで確認する心の余裕を持てるようになります。勉強に限らずなんでもそうです。
今回、この子が喜んでいたのは、自分の力でちゃんと読めたという誇らしさがあったからです。「たまたま気づけた」というラッキーな出来事も、繰り返せば立派な「気づく習慣」に変わっていきます。
焦らず、信じて、待つ。
その先に待っている子どもの弾けるような笑顔は、何にも代えがたい宝物ですね。私はそんな笑顔が見たくて、いつも我慢して待っています。今回、数年前に4か月かけて逆上がりが出来るようになった子の笑顔を思わず思い出してしまいました。
20260209 アドバイス
最近、氷鬼をやって教室に戻ってきたときに、良かったことや悪かったことを共有しています。動画を撮っているわけではないので、オセロのコマなどをテーブルの上で動かして再現しています。
あの場面で、どんな行動をしたらよかったのかといったことがメインです。そして、どうしてその行動を取った方がよかったのかをコマを動かしながら、子どもたちに考えてもらい、分かった子に発表してもらっています。
少し前まではたまにしかやっていなかったのですが、1年生の男の子が「今日はやらないの?」と楽しみにしてくれるようになったので、やる頻度が上がっています。
そして、先週もやりました。「最後にやった氷鬼で、早く終わってしまった一番の理由ってなんだかわかる?」と子どもたちに訊きました。すると、その男の子が「あっ、僕があそこで無理やり突っ込んだのが悪かった」と発表してくれました。実際、私もそう思っていました。そして、あの場面はどうして突っ込んではいけなかったのか、似たような場面でも捕まっている人や守っている鬼が違ったら、突っ込んでもいいということを理由付きで説明しました。
たぶん、この子はオセロのコマなどを使わなくても、頭の中で再現できているのでしょう。また、自分で失敗したと気づけているからこそ、いつも私や年上の子のアドバイスがスッと沁み込んでいくのだと思います。
25/01/2026
20260125 2桁の掛け算
毎年、この時期から始めている2桁の掛け算ですが、まだ3回目だというのに、ほぼほぼ2分で完答してくれました。もともと数字に強い子だったから、1回目から10分を切るだろうとは思っていましたが、1回目が3分半、そして、今回、3回目でほぼ2分で答えてくれました。正直、凄いです!
さて話は変わりますが、公園で鬼ごっこをして遊んでいると卒業していった子がたまに参加して一緒に遊んでくれたりするのは本当に嬉しいです。何より、小さな子への手加減を知ってくれているので、安心感もあります。
20260111 冬休み終了
冬休みは短いですね。短いですが、お正月で鈍った体と頭をしっかりほぐしました。動画はバルシューレですが、この日はしっぽ取りがハードでした。「もう一回!」が何度も続いたので次の日は筋肉痛の子も多かったです。
翌日は筋肉痛の状態で国立科学博物館へ。一年生などはよくわからないことだらけだと思いますが、見てすごいと感じて興味や関心を持ってくれれば十分です。去年行ったときに、ハチ公の剥製があることを知ったので、博物館へ行く前にハチ公の絵本を読んで聞かせてあげました。
読み続けることができなくなってしまったので、最後は4年生の子に代わりに読んでもらいました。読み終わったときに、拍手が起きていました!その甲斐もあって、ハチ公を見たときの反応は去年とは随分違いました。やはり知っているって大切ですね。お出かけ前でしたが読み聞かせしてあげて良かったです。
イメージしていた大きさとは実物は違ったと思います。子供によって感じ方は違うでしょうが「思っていたよりもおっきい!」と驚いていた子もいました。こういう修正の経験も大切ですね!
20251227 多摩動物公園
昨日は例年通り多摩動物公園へ行ってきました!よく遊びました。動物を見に行ったというよりは、落ち葉でずっと遊んでいました。
天気予報で風が強く気温が上がらないと予報がありましたが、風も穏やかで寒さを感じることもほとんどなく、一日を通してのんびりと過ごせました。
1年を締めくくる良いイベントになりました。来年も遊びも学びも手を抜かず頑張ります!
20251222 知ってる?分かってる?
知っているか、知らないかの二元的な世界観で生きていると、「分からない」と言うことが難しくなるように感じています。知識の有無だけで評価されるように感じ、「知らない=劣っている」という気持ちを抱きやすくなるのかもしれません。それだけでなく、「知っている」と「分かっている」がほとんど同じ概念になっているがために、「分からない」と感じにくくなっている面もあるのではないかと思っています。
確かに、知らない状態から、知っている状態へは簡単に移行できます。しかし、理解していない状態から、理解している状態へは簡単には移行できないものです。程度の差こそあれ、苦労した末に「分かる」に到達するのです。だから、「知っている」と「分かっている」の違いを認識している子は「分からない」と言ってきたり、「これもそうなの?」などと口にするのだと思います。まるで「分かるって難しいことだよね」と分かっているかのようです。
さて、「分かる」とか「理解している」というのは、自転車に例えると、「(一人で)乗れる」ということに近いのではないかと思います。車輪が二つしかない乗り物を乗りこなせることを知っていても、乗れるわけではないのです。乗れるようになるためには、時間をかけて練習を重ねる必要があるのです。
同様に「知っている」と「分かっている(理解している)」も違うのです。子どもが「〇〇ってどういう意味?」と訊いてきたときに、お父さんお母さんが、どう説明するかが、とても大切です。「いいから覚えなさい」という教え方をされている子どもは「知っている」と「分かっている」の違いをなかなか実感できません。大人が説明してくれているのを黙って聞いて(意味が分からなくても)覚えることを「分かる」ことだと勘違いしてしまうこともあります。本人は分かってるつもりなのです。
数年前、昼と夜の違いが分からない子がいました。その子は昼と夜という言葉を知っていました。でも、分かっていませんでした。太陽が見えるときのことを昼、その逆が夜だと教えられていたのです。間違った教え方だとは私も思いません。初めの一歩としては、その説明でも構いません。ただ、親子で会話を十分交わしていたら、理解が深まったのではないかと思います。太陽が雲に隠れるのを見て、「昼から夜に変わったね」と言っているのを聞く機会があれば修正できたはずです。
親がちゃんと教えたつもりでも、子どもには不十分なことはよくあります。逆に、1回で完璧に教えようとしなくてもいいのです。話したり、聞いたり、実際に一緒に体験したりする中で、子どもがまだ分かってないことに気づいてあげる。少しずつ理解を深めてあげる。そういう姿勢が大切だと思っています。そして、そういう姿勢でいてあげることにより、子どもも自分で気づくという経験を出来るのでしょう。そうした様々な経験を通して「知っている」と「分かっている」は違うのだと学んでいくのだと思います。
「知っている」「分かっている」「知らない」「分からない」をしっかり仕分けしてあげましょう。
29/11/2025
20251129 知識の地図
子どもたちに教えていると、質問が多い子がいます。そして、質問が多い子は得てして理解が深いです。質問をしてくるときというのは、学びが深まっているサインです。単なる好奇心ではなく、自分の理解をより確かにしようとしている証拠と言えるかもしれません。
さて、質問が多い子がいるということは、少ない子(あるいはしない子)もいるのです。どうして、こういった差が生まれるのでしょうか?ここまでにたくさんの子どもを見てきて感じることがあります。質問が多い子どもは頭の中に「知識の地図」を持っていて、新しいことを習うときに自然とその地図のどこに新しい知識を置くかを考えいるようなのです。だから、新しい知識につながりが見えなかったり穴があると、気になって質問が生まれるのです。
じゃあ、どうしたら、何かを学んだときに質問ができる子になるのか。まずは、子どもの質問を歓迎することです。さらに、何かを教えるときには、必ずその子がすでに持っている知識に結びつけてあげることが大切です。「前に学んだ○○と似ているね」「これは△△の続きだよ」と関連を示すと、子どもの知識の地図はどんどん広がり、理解が深まります。
それ以外にも、言葉を教えるときに必ず対義語をセットで教えてみてください。一緒に考えるという姿勢の方がいいかもしれません。数回やっただけでは実感できないでしょうが、常に対義語をセットで教えていたら、子どもは「この言葉の反対の言葉は何だろう?」と無意識に考えるようになるはずです。そうすると、自然と質問が生まれます。
たとえば、子どもが“上質”という言葉に触れたら、「ねえ、上質の反対って、下質?」などと聞いてくるようになります。すると、子どもの素朴な質問がきっかけとなり、親子で言葉をより深く知るきっかけとなります。こうした親子の関わりが、学びを楽しくし、確かなものにしていきます。
20251122 すぐに答えを教えますか?
算数の計算を間違えたときにすぐに答えを訂正せず、段階的に問いかける方法はとても効果的です。なぜなら、
① 子どもが自分の思考を見直すきっかけになる
② 数字のつながりや計算の仕組みに気づきやすくなる
③ 自分の力で誤りに気づくことで、記憶に残りやすくなる
といった学習効果があるからです。
先日、カルコロという計算ゲームをしていたとき、こんなことがありました。ある子が「59−11」の答えを「49」と言ったのです。他の子から「違うよ」と指摘されていたのですが、自信があったので、言い張っていました。
なので、私が
「じゃあ、59−10は?」
と質問しました。
計算に自信があるその子は「49」と正確に答えられました。なので、
「そうだね、じゃあ10じゃなくて11だから、もう1をひくと?」
と続けました。
子ども自身が「48」と導き出せれば、正しい理解につながります。
このように、正解を直接的に教えるのではなく気づきを促す質問を重ねることで、計算力だけでなく数の感覚そのものを育てることができるのではないでしょうか。
19/10/2025
20251019 新しい言葉を教える
新しい言葉を教えるということは、単に語彙を増やすことではありません。それは、その子がすでに持っている知識や経験に新たな意味を結びつける行為です。子どもが理解している世界と新しい言葉を関連付けることで、その言葉は単なる音や文字ではなく、実感を伴う概念として定着します。
例えば、「果物」という言葉を教える場合、子どもが「りんご」を大好きでよく知っているのであれば、既知のりんごを通して果物の概念に繋げることができます。さらに「収穫」「栄養」「季節」といった言葉も、子どもの体験や知識に重ね合わせることで、より深く身につけていくのです。
「フント」というドイツ語の意味を「ドッグという意味だよ」と説明しても、子どもたちには分かりにくいのです。「犬(わんわん)のことだよ」と、子どもたちのよく知っている言葉に引っ掛けてあげることが大切なのです。
春になったらいちご狩り、秋になったら葡萄狩りなどと、季節に合わせたアクティビティを家族で楽しみながら、知識と経験値を増やしていくことで、親ではない大人(学校などの先生)が言葉を教えてくれたときに、新しい言葉がより定着しやすくなるのではないかと考えています。
新しい言葉は既存の知識のネットワークに橋をかけるように教えることが大切です。そうすることで、子どもの理解は広がり、言葉は生きた知識として息づきます。そして、学校生活を存分に楽しむことが出来るようになります。
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