18/06/2026
【山崎舞先生の学位論文:SASと緑内障】
このたび、睡眠時無呼吸症候群(SAS)と緑内障に関する論文がJapanese Journal of Ophthalmologyにアクセプトされましたので報告します。
本研究では、開放隅角緑内障患者さんにおけるSASリスクを、日常診療で得られる全身情報や眼科検査データから予測できるか機械学習を用いて検討しています。
SASは緑内障の進行に関与する可能性が指摘されていますが、すべての患者さんに睡眠検査を実施することは現実的ではありません。そこで清田先生は、「眼科で普段得られている情報からSASリスクを推定できないか」という着想のもと研究を進めました。興味深いのは、SASという全身疾患のリスク予測に眼科的パラメータが寄与していた点です。眼科医が全身疾患の存在に気づき、適切な検査や治療につなげる可能性を示した点に本研究の大きな意義があると考えています。
一方で、本研究は眼科、睡眠医学、AI・機械学習という異なる専門分野が交わるテーマであり、論文化までには多くの試行錯誤がありました。AI分野では予測性能やモデル構築の妥当性が重視され、睡眠医学ではSAS診断との関連性、眼科分野では緑内障診療への臨床的意義が求められます。それぞれの分野で求められる視点が異なるため、研究成果をどのように伝えるべきか皆で悩みながら投稿・改訂を重ねました。
また、本研究の基盤となったのは、星陵眼科緑内障クリニックで山﨑先生の日々の臨床の積み重ねです。眼圧が良好にもかかわらず視野障害が進行する患者さんに対し、緑内障の背景に全身疾患が関与する可能性を丁寧に説明し、一人ひとりにSAS検査を勧めながらデータを蓄積されました。SASは自覚症状に乏しいことも多く、検査の必要性を理解していただくことは容易ではありません。山崎先生の地道な努力が、本研究を支える貴重なデータベースにつながりました。
今後はさらに症例数を増やし、外部施設での検証を進めながら、実際の診療現場で活用できるモデルへと発展させていきたいと考えています。そして、SASの発見だけでなく、その治療が緑内障の進行抑制や視機能維持につながるかについても引き続き検討していきたいと思います。
論文になるのを辛抱強く待ってくれた中澤先生、本研究に関わってくださったすべての先生方、スタッフの皆様、そして患者さんに心より感謝申し上げます。 (清田、山崎、二宮、檜森)
Kiyota N, Yamazaki M, Himori N, Ninomiya T, Osada K, Yabana T, Maekawa S, Tsuda S, Omodaka K, Yokoyama Y, Nakazawa T. Development of a machine learning model using systemic and ophthalmic parameters to detect sleep-disordered breathing in glaucoma patients. Jpn J Ophthalmol. 2026 Jun 8. doi: 10.1007/s10384-026-01386-5.
Purpose To develop and validate a machine-learning model using systemic and ophthalmic parameters that predicts sleep-disordered breathing (SDB) in patients with open-angle glaucoma (OAG). Study design Retrospective cross-sectional study Methods We analyzed 513 patients with OAG (955 eyes) treated a...