25/05/2016
私が今通っている「上村塾」(上村裕章氏主宰)で、「シェイピング手続きで、何か標的行動を1つ形成する」という宿題が出されました。私が今、支援に入っている小学部1年のクラスで、ちょうどシェイピング手続きを用いているお子さんがいるので、そのケースを取り上げることにしました。
このお子さんは多少の音声言語表出はあるのですが、その言葉は極めて不明瞭で、何を言っているのか?何を言いたいのか?ほとんどわからないのです。話したいという気持ちは強いものの、聞き手に伝わらないという残念なケースです。
そこで、欲しい物を要求する場面で、明瞭な言葉を発することを目指しました。いわゆる、マンドでの訓練です。具体的には、給食場面で食べたい物(このお子さんは、ご飯が強力な好子です)を小出しにして与え(わんこそばならぬ、わんこごはん状態)、同時に「ごはん」と言わせるようにしたのです。
最初から「ごはん」と言うのは無理なので、ご飯を要求して空の茶碗を差し出してきたら、まず私が「ご」と言って音声モデルを示し、それを真似させました。「ご」と言えたら、ご飯を与えます。安定して「ご」と言えるようになったら、次は「ご・は」という音声モデルを真似させ、「ご」と言うだけではご飯を与えず、「ご・は」と言えた時だけ褒めながら与えるようにしました。より「ごはん」という言葉に近いもの(これを「漸次的接近」と言う)だけを強化し、遠いものは消去したわけです。つまり、分化強化の手続きです。
このやり方で「ご・は・ん」まで持っていきました。今日の給食でこのレッスンは4回目なのですが、今日の終わりには、このお子さんは空の茶碗を私に差し出すと同時に、“自発して”「はい、ごはん」とはっきりと言うことができました。今日はビデオも撮っていたのですが(非公開)、後で見返すとこのお子さんの進歩の速さに驚かされるとともに、できたことに正直感激です!自分で言うのも何ですが、粘り強さ根気強さの勝利です!あとは他の食べ物でも、他の相手に対しても言えるようになるように、般化と維持を図りたいと思っています。