01/07/2022
🔶シュタイナーベーシック日記 その9:魂(感情)の感覚
6月の講座は、前回の下位感覚(触覚、生命感覚、運動感覚、平衡感覚)に続いて、中位感覚(嗅覚、味覚、視覚、熱感覚)について学びました。
シュタイナー人智学において、中位感覚は魂(心)の感覚とされ、人間が世界と関わる境界に位置します。シュタイナー教育において、7歳~14歳の第二・七年期の教育課題は「芸術を通じて感情を育てる」ことですが、個々の感覚の性質や人間学(精神)的な意味を深く理解することは、感情を育てるうえでの大きなヒントになります。
感情の感覚ということもあり、くにみつ先生のお話を聞きながら、様々な感情が湧き上がってきました。マルセル・プルーストの『失われた時を求めて』の冒頭で、マドレーヌを食べて幼年期の思い出が蘇るシーンは有名ですが、嗅覚と味覚は記憶や人生と深く関わっています。
自らの体験に思いをはせてみると、夏の蚊取り線香、汗疹をおさえるための天花粉、海辺の潮のかおり、祖母の手料理や梅雨時につくる梅のジャムの香りや味など、幼いころの記憶が、そのときの喜びや幸福感とともによみがえってきます。
中でも、育ての母である祖母が作る手料理は特別な思い出になっています。梅のジャムは、一般のジャムと違って庭でとれた梅の実を種ごと煮込むのですが、甘酸っぱい香りや果肉の味だけでなく、焦げたカラメルの味も格別。果肉の味がなくなるまで飴玉のように長い間口の中で転がして味わってから、その硬い殻をかみ割って、苦味のある仁(さね)を味わいます。
明治生まれの祖母はものすごく料理にこだわった人で、後年、倒れるまでレシピをファイルし、つくり方をノートにまとめるような研究家でした。どの料理もおいしかったのですが、お雑煮は苦手でした。
東北育ちの彼女がつくる雑煮は、すましに角餅、だしは大ぶりのいりこ。特徴的なのは、いりこの内臓などをとっていなかったのかかなり苦味があり、また、そのいりこを取り上げることなく残すこと。幼いころのわたしには、そのいりこが不気味でさしておいしくも思えなかったのですが、梅のジャムとともに、苦味や歯ごたえ(歯ざわり)という感覚を育ててくれたのかもしれません。嚙むことは生きること。無意識に意志を育ててくれていました。
嗅覚は善悪を「かぎわけること」、味覚は人生を「あじわうこと」に通じます。シュタイナーの幼児教育でのオイルマッサージをすることや、食事の前にお祈りをささげて神聖でなごやかな空気の中で食べ物を味わうことの大切さが理解できます。
午後の芸術アクティビティーは粘土。前回作った切頂六面体(立方体の八つの頂点を中心方向に向いて押し込み、各頂点を正三角形にしたもの)のスケッチをしてから、立法八面体に変形していきました。掌の土手(意志領域)を用いる球から立方体とは異なり、指先(思考領域)を繊細に用いる作業でした。
わたしは、最初、変形後の立体を頭で思い描いてしまったせいか、とんでもない形に変形してしまい戸惑いました。最初の形にもどってやりなおしたのですが、結果のイメージではなく、目前の手作業に集中することで、うまく形を変化させることができました。日々のさまざまな行動において、教訓となる出来事でした。次回は、「十二感覚論」の最終回。上位四感覚(精神・霊的感覚)を学びます。
それと、お知らせがあります。
再来月の第11回講座のテーマは「胎生学」です。講座を始めたときには、胎生学は第一回の講座とセットでの受講を予定していましたが、人気講座でもあり、多くの方に受講していただくために、第11回「胎生学」講座のみ、単発で受講いただけます。
日時:8月21日(日)午前10時~12時、13時~15時
参加費: おひとり10,000円(残り二枠)
通常1講座7,000円のところ、会場費、講師交通費の捻出のため、本講座の単発参加費を、この金額とさせていただきます。
場所: 大阪市東成区民センターアトリエ(大阪メトロ今里駅)
https://www.osakacommunity.jp/higashinari-center/
お申込み:空堀ことば塾hp「お問い合わせ」ページより
https://karahori.jimdo.com/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AD%E8%AC%9B%E5%BA%A7/
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アントロコミュが主催するシュタイナー教育と人智学に関する公開講座をご案内します。