16/08/2026
実地研修感想
4日間を通して感じたこと
「こういう学校があったら通いたかった」と思った理由は、大きく2つあります。
1つ目は、子どもたち自身がちゃんと話し合って解決しようとする姿勢があることです。何か問
題が起きたらみんなでミーティングをして、当事者同士でなくても意見を出し合える。「これを
変えたい」と思ったことは、議題として話し合いに持っていける。自分の意見を言えないと難し
い部分もあるけれど、それを言えるようになる練習もできる。すごくいろいろな可能性のある学
校だと感じました。
2つ目は、年齢ミックスの関係性です。ここの子どもたちは本当に兄弟みたいで、それでいて近
すぎず、年上の子が年下の子にいろいろ教えてあげたり、心配してあげたりしています。普通の
小中学校では、クラスが違えばほとんど喋る機会もなく、先輩はどこか恐れ多くて、謎の年功序
列みたいなものがあったりします。でもここでは、年齢に関係なく、直接一緒に遊んでいなくて
もお互いのことを気にかけて、ちゃんとコミュニケーションを取っている。それがすごく素敵だ
なと思いました。
そして一番の驚きは、スタッフの皆さんが「見守る」ことを徹底されていたことです。「ダメ
だよ」と指示するのではなく、「どうしていきたいの?」と問いかける。「こうしなさい」では
なく、「そういう気持ちだったなら、こうするのもいいかもね」と提案する。否定する代わりに、
「私はこう思うな」と自分の気持ちを伝える。スタッフでありながら上下関係をつくらず、子ど
もを縛り付けることもせず、あくまで「一個人」として接している。そういう関わり方でも——
むしろ、そういう関わり方だからこそ——子どもたちが自分で考えて、自分たちの居場所をつくっ
ていける。「制限されることで秩序ができていくものだ」と思い込んでいた自分にとって、これ
は本当に大きな発見でした。 スタッフの方々と教育についてお話しできたことも、この研修の大きな宝物です。子どもたち
の日常の人間模様や、「小さい頃はあまり意見を言えなかった子が、最近はしっかり言えるよう
になって成長を感じる」というお話。何年もその場所にいるからこそ見えるものがあるのだと感
じました。私はたった4日間でもさまざまな人間模様が見られて面白かったのですから、何年もそ
ばで子どもたちの成長を感じながら過ごせるのは、本当に素敵なことだと思います。同時に、正
解がない中で、「これをしなさい」と指示することもできないからこその教育の難しさがあり、
深く悩みながら子どもたちに向き合っていらっしゃる姿も知ることができました。
これから自分の授業に持ち帰りたいこと
この4日間で一番強く思ったのは、「子どもの自主性を大事にしたい」ということです。
何かあったときに大人が答えを出してしまったり、子どもの行動を操作するようなことをして
しまうと、子ども自身が学ぶ機会を奪うことになってしまう。大人に答えを求めるようになり、
自分で考えなくなってしまう。それは、私自身がされて嫌だったことでもあります。だから子ど
もには、自分で考えて解決できるようになってほしいし、そのための「場所」をつくってあげる
ことこそがスタッフの役目なのだと思うようになりました。この場に身を置いたことで、先生や
学校のスタッフという存在に対する考え方そのものが変わり、本当に良い勉強になりました。
ミーティングで話し合い、ルールを自分たちで変えていけるこの仕組みは、「自分でやりたい
ことをやっていいんだよ」という、私が子どもたちに伝えたいメッセージにぴったり合う教育の
形でした。こういう仕組みを、自分の授業にもぜひ取り入れていきたいと思っています。
おわりに
自分で決めること、自分でやった結果から学ぶこと——今の日本の教育に足りていない要素が、
ここにはぎゅっと詰まっていました。ここを卒業していく子どもたちの未来が、本当に楽しみで
す。
4日間、受け入れてくださったスタッフの皆さん、たくさんのお話を聞かせてくださった皆さん、
そして一緒に過ごしてくれた子どもたちに、心から感謝しています。本当にありがとうございました。
(6月研修生のかたより)
将来、自分でオルタナティブスクールを立ち上げたいという方々が研修を全国から受けに来てくれています。子どもたちにとっても、いい出会いになっています。その方との個人的な出会いはもちろん、自分たちのスクールが、過ごし方・学び方が価値のある、新しい学び場の参考になると実感できる機会です。なかには研修に協力して、様々なことをしている子もいます。インタビューを受ける子、一緒にミーティングゲームをする子、研修生に当番のやり方を教える子などなど…。自分たちにとって当たり前になっていることを、客観的に、俯瞰的に見るきっかけになっていると思います。また、自分が無理なく、自分にとってはちょっとしたことでスクールコミュニティに貢献できる機会でもあります。共同生活において、自然にも全体に意識を向けること…その姿勢が自治の生活で自然と培われていく、デモクラティックスクールならではのことの1つです。