23/06/2026
日本舞踊と着付の藤間明海です。
夏至を過ぎると、一気に夏の訪れを感じます。梅雨空と湿度でぐったりしがちな季節ですが、しっかり汗をかいて、巡りよく過ごしたいものです。
先日のお稽古で、会うなりちびっこに「おばあちゃんの家の匂いがする!」と言われ、ドキッとしました。私もついに加齢。。?と思いましたが、正体は匂い袋でした!
一般にはあまり馴染みがないかもしれませんが、着物を着るときには匂い袋を身につけたり、着物をしまう際には樟脳などの防虫剤を使ったりするため、独特の香りが移ります。昔ながらの箪笥の匂いを思い出す方も多いのではないでしょうか。
師匠が香水を好まれないこともあり、私自身も普段はほとんど香水を使いません。でも、着物のときには、帯枕へ小さな匂い袋を下げるのがお気に入り。
着物や帯に合わせて色を選ぶのも楽しく、ちょっとしたアクセントになっています。
ありがたいことに、きれいな色やかわいらしい匂い袋を頂く機会も多くあります。「私にこんなイメージを持ってくださっているのかな?」と嬉しくなります。
平安時代には、衣に香を焚きしめることがたしなみとされ、「あの方は香りまで素敵」と評判になることもあったそうです。目に見えない香りにも、その人らしさや美意識が表れるのでしょう。
自分では慣れてしまって気づかなくなるものだからこそ、周りへの心配りを忘れずに、これからも着物ならではの香りの文化も大切にしていきたいと思います。